第18話

見間違う筈がない。



ずっとずっと見てきたんだ。



これを自分が引き継ぐんだと、ドキドキワクワクした。



今も八千流とハイドの耳を彩り



そして……



肌身離さず身につけてるそれを服の上から握りしめる。



……なんで、どうして、このマークがここにある?


……こんな日の当たらない、薄汚い場所に。



吸い寄せられるように、壁に近付きマークに触れる。













“一華。このマークは仲間達とそれはもうたくさんケンカして考えたんだよ。どう?”



“ちょーーっかっこいいよ、パパ!!いちか、このマークだいすきっっ”



“そっか、嬉しいな。コレは僕達の走ってきた証だからね”




ーーパパ。




ゴッ!!



壁を力いっぱい殴る。



誰だ。


誰がこのマークを勝手に使っている?



赤いペンキで禍々しく描かれたそれは、まだ新しい。




最近、描かれたものだろう。



その証拠に赤のペンキがまだそこにあった。




あたしはそのペンキの入っている缶を無雑作に掴む。



瞬間、スマホが鳴った。




着信主は“ハイド”




「どうした?」



『一華』



「何?るな、見つかった?」



『いや、梶本はココには居ない。それよりも……胸くそ悪いもんを見つけた』




嫌悪感バリバリのハイドの声。



胸くそ悪いもん……。




「アンタもか」



『アンタも?って…まさかお前』




……




「ハイド」



『あ?』



「邪魔が入った。また後で」



『大丈夫か?』



「平気」




電話を切ったと同時に、複数の足音が聞こえてきて




「女だ!!」



「見つけた!!」



「って、あの女じゃなくね!?」




如何にも下っ端って感じの男達が数人、現れた。

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