第18話
これが、俗に言うツンデレってやつなのか…。一瞬でも抱きしめたいと思ってしまった。取りあえず煩悩を鎮めるために無心でカレーを食べる。おいしい。あのレシピ本侮れない…。また借りようかな。
もくもくと食べていたので、眞夏が私の顔を見て複雑そうな顔をしていたのには気づかなかったし、その耳が微かに赤くなっていたことにももちろん気づかなかった。
「――――ほたる」
「……………………え、」
「今日親父に許可取ってきたから、泊まってもいい?」
ものすごく。
言い辛そうにそう言った義弟は確かに今、
「……名前知ってたんだ」
「うるせえな!」
「眞夏おいで、ぎゅうしよっか」
「っは!??ふざけんなしね!!!」
あ、どうしよう。
このオトウト、すごいかわいいわ。
その日の夜はもちろん泊めた。来客用の布団に寝ようとしたけど、眞夏が絶対に布団で寝るとゆずらなかったので、私が結局ベッドで寝ることになった。
翌朝起きたら、既にその布団はたたまれていて、人の気配はなかったけど、テーブルにメモが残されていたのに気づいた。
「ごちそうさまでした」。硬質な整った字を見つめて、それを冷蔵庫に貼って、「かわいいなあ」と呟いた、そんな土曜日。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます