第14話




ひき肉とトマト缶。小松菜。ヨーグルトとカレー粉とオレンジ。

買ったものを数えながらとんとん、と階段を上ると、人影が見える。


顔を上げると、一番上の段に、最近見慣れた義弟が退屈そうに座っていた。



「おかーえり」


遅かったね。と掛けられた声に笑顔になる。



「今日来るかなって思ってた」


「なにそれ」


「一週間くらい来なかったからそろそろかなーと」


「ふーん」




興味なさそうな相槌を聞きながら鍵を開ける。


眞夏が来るようになって一か月程たった。毎日来るというわけでなく、猫のようにふらっと現れる。続けて三日来た時もあれば、今度のように一週間間が空くこともあった。コンビニの夜勤をしているので、そのシフトの日だけは伝えるようにしているけど、いっそのこと鍵を渡すか悩み始めている。さすがにそれしちゃうと、義父も黙ってないかなあ。



「なんか今日雰囲気ちがくね」


「え」

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