30歳前後

森本ヴィオラ

【エッセイ】30歳前後

 30歳手前まで、何でも選り好みせずにやってみるのがいいと思ってた。人のアドバイスも全部聞かなきゃいけないと思ってた。

 なぜなら、自分で「自分はどうしたいのか」決めていいって知らなかったから!だから自分より高みにいる人の真似をしたり、言うことを聞いたりしていれば、「神の見えざる手」的なものにより、幸せな人生を歩めると信じていたのである。

 30歳になってようやく、自分で選択していい、と気づいた。その選択の先に幸せがあるのであろうことにも薄々気づいた。そこから、服でもカバンでも何でも、「自分はこれがいい!」を探す作業を繰り返した。コツは、「自分がトキめくか✨」(こんまりか!)。やっていくうちに、次第と俊敏に判断できるようになった。しかも「自分はこれがいい!」と思ったものが手に入ると、めちゃくちゃしっくりくる。今まで、人に勧められたものばかり身につけていたから、いつもちょっとだけ無理していた。そのちょっとの無理が嵩んで、けっこうなストレスになっていた。

 そんなストレスからも解放されて、「自分」というものが次第にクリアになってきた。自分のなかにおぼろげながら芯が育ってきた感じ。そうするともう、抵抗なく選り好みするし、依頼も断っちゃうし、始めたものも辞めちゃうし、クレームもつけちゃう(正当だと判断した場合です)。

 30代は20代に比べて、めちゃめちゃ楽になった。これからも、自分のやりたいことをやり倒しちゃうぞ!

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30歳前後 森本ヴィオラ @morimoto_viola

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