第2話:カミングアウト。
いつものように教室に入ると、先に来ていた親友の「
きた。
「おはよう秋・・・」
「うん、おはよう〜公介・・・・」
(体は女だけど、しゃべり方は変わらないんだ・・・)
「秋・・・おまえ、なんか変だぞ」
「な、なにが変なんだよ・・・」
「顔がだよ・・・なんか変」
たしかに変だ、短髪の男が女になりかけてるのに学ラン来て、自分でも変って思う。
変だろ?キモいだろ?
「そんなことねえよ・・・公介」
「いやいや・・・なんか変・・・絶対、変」
「人を変態みたいに言うな、しばくぞ」
公平の言ってることは正しい。
やっぱり変なんだ・・・秋は自分に何か起きてるんじゃないかって確実に疑った。
だからその日は、クラスの誰とも関わらないようにした。
そして、そのことがずっと頭を離れないまま授業も耳に入らず下校した。
家に帰ると母親の春はまだ秋の食あたりのことを心配していた。
もう大丈夫だから、元気だからって言ってとりあえず母親を安心させた。
食あたりは治ってるけど、他の問題が持ち上がっている。
その夜も普通に晩ご飯を食べて・・・日常生活は特に問題なし。
「秋ちゃん、お風呂沸いてるから先に入りなさい」
「ほ〜い・・・」
風呂もいつものように普通に入るから秋は何も考えず脱衣所で服を脱いだ。
で、脱衣所の鏡に映った自分のおっぱいを見た・・・今朝より大きくなってる
ことに秋は驚いた。
「う、うそだろ?・・・やめてくれ・・・なんだよこれ?」
で、自分の下半身に違和感を感じてチンチンを見た。
だけど、そこにあるはずの男にとってもっとも大切なモノがなくなっていた。
「うそ・・・ない・・・ない、ない・・・どこに行ったんだ・・・俺のチンコ」
「そんなバカな・・・・待て待て・・・落ち着け」
家に帰って来た時、トイレに行ったけど、その時はチンコはたしかにあった。
風呂に入るまでに綺麗さっぱり消えてしまったとしか考えられない。
そこで秋はようやく分かり始めた。
「俺ってやっぱり女になってってる?」
そう思えば今朝の女言葉、親友の名前を苗字で呼んだこと・・・すべて納得
できる・・・。
「どうするよこれ?」
秋は一気に冷や汗が出た・・・どうしていいのか分からず半ばパニクった。
何度見てもおっぱいは大きくなってるし、チンチンはなくなってるし・・・。
そう言えば授業中おっぱいが両方とも痛かった。
思春期だし、おっぱい成長してるんだ・・・。
このまま体が女性化したらどうなる?。
女の体は母親の体とかや画像、動画でなら見たことはたしかにある。
一番肝心なところも、ちょっと後ろめたいけどエロい動画で見たことはある。
その自分のもっとも肝心なところを見てみる勇気は秋にはとてもなかった。
そんな卑猥なことできない・・・たとえ自分の体でも・・・。
もし見たからってどうなるもんでもなし、ショックが大きくなるだけだ。
だけど秋の心配をよそに、体は女性として発育途中。
秋の体はトランスしていってるのだ。
体は女、だけど脳は男のまま・・・だから自分は男なんだって意識は残ってる。
こうなった以上、母親にだけはカミングアウトしたほうがいいと秋は思った。
母親は最初、秋は自分をからかうために、そんなありえないこと言ってるんだ
と思ったみたいだ。
だけど秋が泣きながらあまりに真剣に切実に訴えるもんだから母親は本当の
ことなんだと息子の言ってることを信じざるを得なかった。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます