第7話 語られる半生(4)

そう昔でもない時代のちょっと前のちょっと先のお話。



桃太郎はこの国の鬼を退治することに決めたそうな。


でも自分一人では心元なく思い、家来を探すことにしたそうな。



まず必要なのは情報収集力。桃太郎のハッキングの師匠の雉村聡を候補にしたそうな。


次に必要なのは人脈力。政財界を知り尽くすジャーリスト、犬養文隆を候補にしたそうな。


最後に物理的な力。それには忍びの末裔と言われ戦国時代以降常に裏社会で暗躍してきたと言われる組織、猿錦組を候補にしたそうな。



そしてそれぞれにコンタクトを取る中で、桃太郎が持っていないものが必要だとわかったそうな。



それは通称「きびだんこ」。



彼らは金では動かなかったそうな。金などいくらでも手に入るからだったそうな。しかし彼らが心底欲するものがあったそうな。それは命そのもの。つまり、超長寿遺伝子。通称『きびだんご』。



桃太郎はついに自分が桃から生まれるはずだった故郷へ帰る決心をしたそうな。


なぜなら超長寿遺伝子はお爺さんとお婆さんから貰わないといけなかったからでした。


桃太郎の脳裏にはあの屈辱の数日間の記憶がよぎったそうな。


しかし、この国の鬼を退治するにはもう一度行くしかありません、


そしてお爺さんとお婆さんが桃太郎の入っている桃を割らないといけません。


そうして初めてお爺さんとお婆さんの超長寿遺伝子が活性化するのでした。


桃太郎は再びあの悪夢の川を遡るのでした。


少しばかりの意趣返しにとお爺さんとお婆さんの罪悪感を煽るためにボロボロの服を着ていったとさ。

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