七
当たり前だが今度は二人が叫ぶ番だった。
まぁ反応しないほうが問題だが。
……わぁ、これ結構うるさいや……
思わず耳をぺしょっと頭にくっつけた。
「…………というか天皇の養女になる前にまず一条家に入ってたんですよねぇ~。あ、あはは……」
なる予定じゃなかったんですけどね~。
「……いやまずどうしたら天皇家に入ろうってなんだ?」
そこは気にしないで。私のせいじゃないから。というか正直言うと入りたくなかったから。
「それは……私を買ってくれた方が…………ええと、皇太子殿下だったから……なん……ですけど……」
「あ?買ってくれた?」
えぇ?ここからも言わないとダメ?
「あー、私、母に捨てられちゃって。
と言うのもなんですけど……まぁ、子ども売るところに売られちゃって。まぁ、あれです、あのー、人身売買?ってやつです」
「「う、売られたッ!?」」
「はい」
「てか皇太子がそんなとこ行って良いのかよ……」
私もそう思う。
「たまたま通り過ぎただけならしいですよ。
なんか膨大な魔力を感じ取って見に来てみたんだとか」
「「魔力……」」
「まぁ、その魔力の持ち主の正体が私だっただけですけど」
「へ……ぇ」
(それたまたま通り過ぎたんじゃねぇよたぶん)
と心の中でツッコむ土方だった。
「……あ、ところで私の武器、どこにあります?」
当たり前だけど武器を回収されていたので聞いてみる。
「武器?……あぁ、あのなんか変な棒か?青と白の」
「あ、それですそれです」
「てかあれ何なんだ?」
「あぁ、弓ですよ」
「「弓ぃ!?」……え、え?弓には見えないんですが……?」
まぁ、アレを弓と言われてもわからんよな。
私も最初見せてもらったとき何これって思ったもん。
「んーなんと言ったら良いのか……えと、ま、兎に角持ってきてくれません?」
武器がそばにいないとどうも落ち着かんし……
「あぁ?いいけどよ……」
お?案外優しい ←失礼
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