六
「……なんです?」
「え……なんで治って……?」
「…………あっ!そっか!まだ
これは、いい証拠になるな。うん。
「ま、魔法……?」
「この時代……?」
「未来ではみんな魔法が使えるんですよ。
ほら、このように……」
と言って火魔法を出す。
私は無詠唱でできるからね。
無詠唱は想像力と相当の魔力、その両方が必要となる。
私はどちらとも持ち合わせているので無詠唱でできる。
無詠唱の方が無駄な魔力の消費少なくてすむし。
「「うわっ!!」」
「未来では私たち、獣人……つまり、私のように耳や尻尾が生えている人がほとんどなのです。
人間は昔いたとは聞いたことはありますが、
実際に見たことはありません。」
まぁ、私はみたことめちゃくちゃあるけどね?
前世で、だけど。
「「獣、人……」」
「だから貴女は耳や尻尾が変なのですね。」
「そうなんです。
……で、魔法を使えるのも獣人のみ、です。」
いや、正確に言えば獣人のみ、ではないのだが。
未来では、
アジアあたりは獣人が多くて、
ヨーロッパあたりはエルフが多い。
そしてアフリカあたりはドワーフが多かった。
アメリカあたりはドワーフとエルフが半々、ってところだ。
あそこらへんはヨーロッパの植民地だったからそこらへんから来ている人が多かったらしいしね。
獣人のことを
これらを合わせて亜人と呼ぶこともある。
ちなみにイギリスの王族は皆、ハイエルフと呼ばれる。
寿命はほぼ変わらないが普通より二十年くらい長生きなんだとか。
「へぇ」
「ふ~ん?面白いですねぇ」
「そうですか?……で、これで分かりましたか?私が貴方達の名前を知っている理由が」
「あ、あぁ。疑って悪かった」
「私からも謝罪を。いくら疑っていたとはいえ、女子の首に刀を当てしまいに傷をつけるなど、武士として、男として、やってはいけないことです。申し訳ありませんでした」
「大丈夫ですよ、気にしてません。ほら、もう治ってますし。私も、いくら動揺していたとはいえ、勝手に名前を呼ぶなど、無礼でした。申し訳ありません」
「では、これで御相子ということで。……あ、ところで、貴方の名前は?」
「私?あ、そう言えばまだ名乗りもしていませんでしたね。私の名前は……
一瞬偽名にするか本名にするか迷ったが、こっちに私のことを知る者はいないんだし別にいいかと思って本名を教えた。
「あ?一条だぁ?おまえ、一条といったらお偉い方じゃねえか」
だが、こちらでもやはり一条は一条だった。クソ。面倒極まりない。
説明のために自分の人生を振り返ってみて思わず現実逃避したくなったきた。うん。
――――今世の自分の人生は波乱ばかりだなと思う今日この頃です。
「ちょっと~?現実逃避しないでくださいよ~?」
んんん、しょうがない、省略しよう。そうだ、全部一から言わなくてもいいんだし。
「…………はい、まぁ、私一応…………天皇の養女、でしたし」
だがそれでもさすがに説明をぶっ飛ばしすぎたのだということに気が付かなかった。
「「――はぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁっっっ!?」」
――――耳元で叫ばれるまでは。
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