四
別に驚かなかった。
というか妓楼に売られなかったのが不思議っていうか。
さすがの白狼族だね……
高く売られた。
ちなみに現天皇と血が繋がっていることは誰にも言っていない。
……言ったら殴られるし。
母さんは現天皇に見つかるのを酷く恐れている。
……まぁ、私が皇位継承権を持って生まれちゃったからなぁ……
後継者争いにでも巻き込まれたらたまったもんじゃないもの。
妓楼に売られなかったのは妓楼には高貴な方――つまり公家とかね――もよく来るからもしかしたらバレてしまうかも……ということからだった。
私にとっては好都合だ。
妓楼なんて真っ平だし。
母さんは普通に売ったら買うのは公家とかだろうし、私がやんごとないお方の子供とバレることは少ないし、お金も手に入り一石二鳥と思ったらしい。
が、
一つ、母さんに誤算があった。
まぁ、誤算というか、前代未聞の出来事だったので誰もこんなことを予想していなかっただろう。
私ですらこんなことちっとも予想してなかったのだから。
そう、
まさか、
私を買ってくれたのは、
王太子殿下・
だった ――――
――――だなんて、ね。
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