第三話 | 蒼月の過去と転生



まず、ここで少し話をしましょう。

お茶でもゆっくり飲みながら……


あ、そうそう。自己紹介が遅れてしまいましたね。


先ほどからしゃべっているのはこの私、神翼族――確か人間は天使と呼んでいましたよね――のサリュヴァエルと申します。


あの使えないアホ男ことガイアウルノス……様の側近を務めております。


ちなみに神翼族は私たちの母である天光神・ルミナエル様の子供たちからなる種族なのです。


ちなみに父は闇夜神・オブスキュラエル様です。


ルミナエル様は天使のような、女神様のような感じの方で、まぁ女神様なんですけれど……

天使のように美しい真っ白い翼が生えております。


そしてオブスキュラエル様は人間が作った『堕天使』をモチーフにしているらしく、堕天使の黒い翼を生やしているのです。


どちらとも本当に素敵な方達ですよ。


神界で夫婦なのは大変珍しいんです。


さて、先ほども話したようにガイアウルノス様が新しく作り直した……と言うか恐竜時代の終わりのように新しい生命体を作り出したわけですけれど……


あまり土地の形も変わっておらず、歴史もほぼ同じところを辿っています。

違うところと言えば少々国名が違うことでしょうか?


日本は和ノ國、または和國と呼ばれています。

アメリカはアルメリックですし、

フランスはフルニーワンス(略してフランスと呼ばれることも)ですし、

中国は華国ですし、

ロシアはロッスールア……でしたっけ。

もちろん大陸名も違い、

ユーラシア大陸はウルユシーア大陸、

アメリカ大陸はアルメリック大陸、

アフリカ大陸はアーフルール大陸、

オセアニア大陸はオノセノア大陸、

そしてヨーロッパはエウロペ、アジアはアザール。

どれも似ているようで似てないですよね。ややこしい。


そして獣人は日本―――もとい和國という国にも当然いるわけなんですよね。


平安、鎌倉、室町、戦国、安土桃山、江戸時代……にも当然獣人しかいないのです。(時代の名前も一緒です。)


ただし、戦場での攻撃などは魔法を使うことのほうが多いのではないでしょうか……

……なので前の世界観とは少し違うところがあります。


貴族……つまり公家は珍しい種族や肉食系の種族が多いです。


平民は結構どこにでもいる……鼠、兎、犬、猫……などでしょうか。




そして皇族は龍族と呼ばれています。



本当に龍なのです。

正確に言うと天皇と皇位継承権を持った方のみ、といったところでしょうか。


此処が不思議なところで、次期天皇に向いていない方は皇位継承権の証である龍族にはなれません。

ガイアウルノス様が言っていた特典とは、これのことなのでしょうか?


なんで龍なのかはガイアウルノス……様がよく知っているでしょう。


……なんでですか?


「いやーなんか龍ってかっこいいじゃん!? それに日本は色々と可哀想だったからさぁ……俺結構好きだったんだよね、日本。

だからなら龍に加護させとこって思ってさ?

……ってか前から思ってたけど今絶対様後付けしたよね!?」


いえ? 決してそんなことはありませんよ?


と、というか……あ……貴方が好きか嫌いかでだいたい決まるんですね……?


しかもなんか今さらっとやばいこと言いましたよね?

龍に加護させる?

ちょっとやりすぎじゃないですか??


「今おもっきしはぐらかしたよね……?」


……いいえ?


「……ほんとかなぁ……?」


ハイもちろん。

というか早く続きを説明しr……て下さい。



「君、ほんとねぇ……」

まぁ、これがなかったら優秀で使える部下なんだけどさ……


「まぁいいよ、俺はその性格も含めて結構君のこと好きだし。」


っそ、そういうのいいですから! はやく続きを……!!!


「はぁ……?

……で、どこまで話したっけ……?

あ、そうそう!

えーと、好きか嫌いかで決まるってのはちょっと違うけど……まぁ似たようなものなのかなぁ?

いやぁ、前回はやらなすぎたからね。

まさか人間があんなに弱くて愚かだとは思わなかったんだよ。

……いや、思っていたけども。

さすがにあそこまでやばいとは思わなかったんだよねぇ。

だから今回はやりすぎてみようかなぁ、って思ってさ?

俺こう見えて一応龍の王でもあるし」


まさかの龍の王だったらしいですね。

……てかそれ初耳なんですけど。


「言ってないからね」


ええ?ふつう言いません?


「いやだって君蛇とか蜥蜴とか嫌いだろう?」


いやそうですけど蛇と龍は違いますから。


「……なら、いいんだけど」

ふう、と安心したような溜息を吐いた彼の瞳を見て、納得した。


……ああ、なるほど。

だから龍の目が金色なんですね。

神の血を引いているから、目にもその力が宿るんでしょうか?

だから龍族も金色の瞳……


「そゆこと」


なるほど、だから龍に加護させるんですか。

納得……



……とはもちろんなれませんよね……




あなたちょうどいいってものを知らないんですか……?


あと、何が違うんですか。

さっきおもっきし自分で『日本はだった』って言ってたじゃないですか。



「……はい……ごめんなさい……言いました……」


よろしい



……と言うわけで日本の皇族は龍の血が入っているのでした。




さて、ここからはさっきガイアウルノス……様が作った時空のゆがみに巻き込まれた一人の少女の話をするとしましょう。


……ホント何やってるんですかね、あの人は。

あ、人ではありませんでしたね。

一応神でした。


「一応ってなに!?!? ほんと君俺に敬意ってもんがないよね!?」


敬意……? どこに払う必要があるんですか? それ。


「え、普通にひどくない!?」



あーもう……うるさいですね……進まないじゃないですか。

すみません皆さん、このうるさいのが。

この方はほっといて次のページにどうぞ進んでください。




サリュヴァエルside (終)



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