つかめる面積

@seeder

つかめる面積

自分が握り込めるモノは、ほんの僅かな量で、人生の中で多くを取りこぼしていく。自分の手のひらにつかめるのは、その面積相応のもの。

だから、慎重に選んで取っていく。

その手に相応しいモノしか選ばない。


…だからだろうか。その手につかみ、おさめられるものしか選ばず、育てようともしなかった。小さな手のひら相応のものしか手に入れてこなかった、その過失か。それゆえだろう。

こんな大きなモノ、一体どうやって望めばいいのか、わからない。

その手のひらが大きかったら望めたか…?でも、たとえどんなに大きかろうと、到底かないそうにないモノだ…。


とても久しぶりに、『欲しい』と望んでしまったのだ。分不相応にも。


振り返れば、手に握り込んでこなかったモノが、どれもこれも、道を成して、自らを主張させるように輝いている。


ワタシに足りなかった…それは……。

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