高校生活リスタート

山田空

第1話 死ぬ直前の後悔

この話は中学の頃の話になるんだが俺が入学したての頃体育館に向かう途中なぜか上が騒がしかった。


上そう空である。


そんな場所には確か屋根ぐらいしかないはずだった。


それなのに騒がしい音がするなんてなんかおかしいぞと考えた俺は空を眺めた。


そして空を眺めていると太陽をバックにめちゃくちゃいい笑顔で先生に怒られている先輩がおりましたとさ


いや本当にやべぇヤンキーって大体身体能力が高いせいで先生たちが困るよなあと思った。


ちなみに俺は目があったがごまかした。


いやあれは完全に目があっちゃダメな類いの人だからな。


ちなみにどこにその先輩がいたかって話になるんですけど


体育館と本館を繋げる廊下みたいなところに屋根があってその屋根の部分に先輩がいたって感じです。


ああそうだあんなこともあったな。


授業の途中で同級生が教室から出ていくんだけどそれを先生が追いかけてそれを俺が笑ったらヤンキーが怒って俺のことを追いかけてきた。


いやああの時はガチで死ぬと思った。


本当に人って必死になると出来ないことなんてないね。


このはなし自体そこまで古い話ではないんだぜ。


いや……意外と古い話になるのか


だって10年以上前だもんな。


かあ時代ってなんだか変わりすぎだよなあ。


もう俺が動画配信者だったのも20年以上前の話になるんだもんな。


あの頃は楽しかったなんて言いたくねえけどやっぱり別の人生を歩んでみたかったと思うなあ。


それに幼馴染みだって仲良く学校に登校する女友達もいたんだよな。


屋上にいって授業をしたこともあったんだよな。


なんか鏡みたいなのを使って光を反射しろみたいな変な授業を小学校の頃にさせられて意味わからねえって友だちと一緒に笑いながらも真面目に授業を受けてたんだよな。


はあなんか辛い人生ではあったけど面白くない人生ではなかったな。


誰かとは一緒だったからな。


いや……一緒じゃない時期もあったな。


成長していくほどにじぶんが他の人とは違ってどこかおかしいってことに気がついてそれがコンプレックスになってからだな。


そのコンプレックスが生まれてから俺はなんとなく人と関わるのがいやになってた。


なんで俺は普通じゃないのかなんていってたがまあほとんどのやつはこういうだろうな。


「同じ人間なんていないのだから君なりの生き方をすればいい」


だが俺はこう返そう。


『そんな頭のいい生き方ができるのならこうはなっちゃいないのさ』


俺は高校に進学してだらだらとなんの夢もなくそしていつしか俺は短大に進学することとなっていた。


なんでこんなことになっているのか


ただ俺は流れに身を任せていただけだった。


そしてそのまま短大を中退した。


このままでいいのかわからなくなって俺は勉強に身が入らなくなっていきついていけなくなっていたからだ。


だがそのあと俺は一度も働いたことがなかったことで色々と苦悩することになった。


それに資格だって持っていなかったから余計にだ。


そして高校生のときにいわれたあの言葉が俺の喉につっかかていた。


「あなたは今までなにをしていたんですか」


怒られた。


そりゃそうだ。


高校という大切な三年間を俺は棒に振ったのだから


後悔しても時間は巻き戻らない。


そして俺は必死こいて就職活動を行った。


後がなくなっていたからだ。


そして俺はそのあととある企業に就職した。


その時はすごく嬉しくてよっしゃーと喜んでいた。


だが俺はその会社がいわゆるブラック企業であることを知った。


だがそれでも必死になればなにかを成し遂げることが出来るとそう信じていた。


昔親にこんな言葉をいわれたからだ。


「いつか頑張っていたら報われるだから頑張りなさい」


頑張ったさじぶんなりに……いや本当は俺はなにも頑張っていなかったのかな。


なんとなく流されて生きてきたことはわかっていた。


そしてそれがこうやって俺の首を絞めてしまっていたんだ。


俺は薄れゆく意識のなかこんな気持ちになる。


「もう一度やり直せたらこんなこともうしたくない」


そんな俺に誰かの声が聞こえてくる。


『もう一度やり直す機会を差し上げます』


俺はその誰かに聞き返した。


「なんでそんなことしてくれるんだ」


誰かの声は俺のその質問に答えることはしてくれなかった。


ただ俺を抱き抱えてくれた。


その時俺はなんとなく安らいだ。


覚えてないはずなのになぜか赤ちゃんの頃を思い出した。


あははお母さんの顔を思い出してしまった。


もう一度会いたいな。


そういえばお父さんが俺を魚釣りにいってくれたこともあったんだな。


お父さんにももう一度会いたい。


ああ何度だって思うさ。


何度だって言葉にするさ。


『もう一度俺に人生を歩ませてください』


こうして俺は後悔しないための二度目の人生を歩むことになった。

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