第2話 タイムリープ?それとも夢?

やり直せるならやり直したい。


何度もそんな願いが頭をよぎった。


でも何度も思う。


やり直すなんてことは不可能だと


やりたいことはたくさんあった。


だけど勇気がなくてできなかった。


もしも別の道を進んでいたならそう何度も思った。


だが、そんな別の道を進めるわけもなく俺はまた社畜という社会の歯車として歩いていた。


そして、俺はまたいつものように家に帰宅しベッドで横たわり眠りについた。


俺は目が覚めるとベッドから起き上がる。


だがいつもの部屋ではない。


俺の部屋はマンションの一室のはずだ。


だがここは一軒家だった。


そして甘い香りがしたので部屋を出て一階にむかう。


するとそこにはお母さんがパンを焼いていた。


俺は嬉しさで涙がとまらなかった。


ああ良かった本当に良かった。


俺は腕をごしごしと涙をこする。


そんな俺を心配してお父さんが声をかけてくれる。


「おいどうしただいじょうぶかどこか痛むのか」


「うんだいじょうぶだよお父さん」


これはきっと夢に決まっている。


それでも嬉かった。


だってお父さんとお母さんにもう会えないと思っていたから


俺のお父さんとお母さんは俺が二十歳のときにいなくなった。


そして俺はじぶんの年齢を知りたいと思う。


ぴょんぴょんとその場で跳ねてみる。


「あははなにやってんのさ」


お母さんが笑ってくる。


「いやあ」


笑われている中で俺はひとつの考えが浮かぶ。


これがもしも夢でなく現実ならっと


肉体年齢からして中学生の頃のじぶんに戻っている。


父親と母親が生きていることと肉体が若返っていることからしてこれってタイムリープってやつだな。


でもならなぜタイムリープをしたんだろうか?


いやそもそもこれは本当にタイムリープなのだろうか


ピンポーンとチャイムの音がなったことで俺は玄関にむかう。


「俺がいくよ」


「そう?それならお願いするわ」


ドタドタと足音を立てながら俺は玄関にむかう。


俺は扉を開ける。


扉を開けた先には親友がいた。


親友の古西 恋(こにし れん)を見て俺は嬉しくなった。


実はレンは女だ。


俺が別の学校を選んだときはレンが女だなんて思っていなくて数年後に再会をした時に女であることを知った。



再会したときの記憶



「久しぶりだね」


「えっと………あの」


同窓会で久しぶりに出会ったレンは中学のときとは違った。


だから戸惑った。


「あははぼくだよ変わったからね仕方がないか」


「いやでも性別が」


「あはは驚いたかい?女だったんだよ」


「まあそりゃ驚いたけど」


そしてそのあといろんな話をしてレンにこんなことを言われた。


「もしかしたらぼくは好きだったのかもねまあでもあの関係のまま終われたことを嬉しく思うべきなのかもしれないきっと傷ついてしまっていたからね」


レンが俺のことを好きだと知ったときは気持ちが舞い上がった。


だが既に夫がいることを知って絶望した。


悲しみにくれてしまって俺はもう一度やり直したいと思っていた。


まあそれ以外にもやり直したいと思っていたことはある。


だが、タイムリープをした理由が1つ浮かんだな。


後悔がトリガーとなってやり直すことが出来るようになったのかもしれないと言う理由だ。


まあ夢である可能性は捨てきれないが


「それじゃあレンまだ朝飯を食べることができていないから待っていてくれ」


「うんわかったじゃあ入るね」


「おうどうぞ」


そうして俺の家に入っていく。


「あらいらっしゃい」


お母さんがレンに挨拶する。


「それじゃあいってくるよ」


お父さんがレンと入れ替わるように家を出る。


「「「いってらっしゃい」」」


お父さんを送り出した。


レンはソファーに座る。


「はあ眠いね」


「でも学校いかなくちゃだぞ」


「わかってるよ」


真っ白できれいな足に引き締まったお尻とお胸は未来のレンが言うにはさらしを巻いているらしくないように見える。


だが女だと知っていたら完全にきれい系の女だった。


甘い香りとかするし顔だって整った顔立ちでイケメンとも言えるけど男ではなく女だ。


なんで俺は気がつかなかったんだ。


完全に女じゃねえか


くっそやべえ緊張する。


久しぶりに女と話すからだと思う。


俺は平然なふりをしようと机に並んだご飯に手をだす。


「おおうまいな」


久しぶりにお母さんのご飯を食うと涙がとまらないぐらいうめえとなる。


「なにを言ってるのさ変なことをいうね」


お母さんが不思議そうにいってくる。


ごまかせごまかさないと俺がタイムリープをしているとバレるわけにはいかないんだから


そしてチラリと見るとレンはテレビを見て笑っていた。


ああそうかスマホではないのか


今の時代はまだスマホが浸透していない。


俺の時代はテレビを使わない人がいる時代だからテレビを見て少しだけ感慨深くなった。


「ねえまだ?」


レンが俺の方を振り向いてくる。


「おう待っていてくれよ」


「うんわかった」

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