知らない世界

最初は怖かった。


出会って五分と経たないうちに知らない人の前で服を脱ぎ、それ以上のことをするのが。


しかし、不思議と気分は昂揚していた。


その世界に来る人は色んな人がいた。



ジブリの映画に出てくるような丸みを帯びたフォルムの大柄な人。


一見、普通に見えるのだが、服を脱いだ瞬間に奇声を放つキチガイ。


執拗にサキカの身体を眺め、自分で処理してしまう人。



皆、クセは強かったが行為が終わった後は、一様にすっきりとした顔をして「ありがとう」と言ってくれた。


飲み屋でやり合う腹の探り合いより、ずっとシンプルで、より達成感が得られるその仕事は、自分に向いているかもと思った。


二十歳で風俗の仕事を始めて、もう三年目になった。


客から求められることはひと通りこなせるようになり、サキカは一人前の風俗嬢になった。


もちろん、アパレルにいた時にはあり得ないほどの貯金も出来た。


しかし、非日常も毎日続くと日常になってしまう。


それにサキカは連絡先を執拗に聞いてくるガチ恋客だけはどうしても苦手で。そうした心理的なストレスや、肉体的にもきつい思いをしながらのその仕事に対して、多少のストレスも感じていた。


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