夜に沈むにはボンベイ・サファイア

魚の眼は街の隙間を遠く見渡し

喧騒も静寂も同じ色に溶かしてしまう

かすかな光と影だけを映している


冷めたスープを眺めるピエロは

一口ずつ啜っては 夜の底でやがて吐き出す


ガラスのバレリーナは煤けた楽譜を踏みしめ

軋む舞台で静かにまわ


朝が来ないまま姿を消して

崩れかけた調べの波


見つめる者のいないまま

街は夢の端をほどいていく

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