第4話 意識改革





ルミに誘われ、女同士、語り明かす時間も悪くない。♫✨ 2人の友情を深めるイイ機会だ。🤩




 そんなふうに思い、なおみは仕事の休みをとり、ルミの住む大阪へと向かった。




その前に、、、何か、ルミが喜びそうなお土産を捜した。




ルミの顔を思い浮かべながら、何をあげたら喜んでくれるかなー?と、捜すのは、楽しい。💖




デパートにはいり、まずは、キレイな発色の口紅が目に入ってきた。




すかさず店員がすり寄ってくる。




『いらっしゃいまっせえーっ!! 何かお探しですかぁ???』ニコッ‼️😃





なおみはコレが苦手だった。




自分が自由に見て回り、どうしても知りたい事があれば、店員さんに声をかけるが、




一方的に推奨されるのは、不快に感じるのだ。





店員から、逃れるように、遠目にコスメをザッと物色し、美しいケースに入ってるディオールの口紅と、アイシャドーを選んた。




丁寧に個包装され、さらにリボンまでつけて貰っている。🎁🎀




小さい口紅一つなのに、大袈裟すぎるくらいの分厚い箱にいれ、さらにブランドの目立つ紙袋。





旅には、かさばるなーと、ちょっと、憂鬱になる瞬間でもあったが、貰う方は、悪い気はしないだろう、、、♥




そう、思いなおしながら、今度は、地下の食品売り場へ。🎁





そして、2人で摘める珍味や、お菓子等を買い込み、飛行場へと向かい、大阪へ飛んだ✈️





最寄り駅まで、迎えに来てくれたルミと再会した時は、ちょっとびっくりした。




又、顔が変わっていたからだ。




顔、カスタマイズしたんだな、、、




そう思ったが、口には、出さなかった。いきなり聞くのも、悪い気がしたのだ。




ほっぺが異常に膨らみ、以前の顔が思い出せないほどだった。





『久しぶりやなあ〜』


どちらも、満面の笑みで、、、 2人で固く握手🤝♥




話が出来る人が居るというのは、やはり、嬉しいものだ。





例え、ひょんな出逢いだったにせよ、こうして、知らぬ者同士が友達になり、お互い連絡をとり合っている。そんなふうに思っていたなおみに、ルミがボソッと呟いた。





『縁って、不思議やな、、、』




ルミの運転する軽の車に乗り込み、家路に急いだ。





『そうめん、たくさん、ゆがいとるからな、、一緒に食べよ♥』




そう言って出迎えてくれるルミに、なおみは心から感謝した。




この展開が嬉しかったのだ。




なぜなら、なおみには女友達は、はかないもの!!




そんな観念が昔からあるからだ。




いや、女友達だけじゃない、、、




人間は、長い関係性を保つのは難しい




そういった、どこか刹那的な部分を合わせもっている。




それでも、この一瞬一瞬の時間を大事にしたい!!





車の助手席に乗って、お互いの横顔を見合いながら、たわいのない会話ができる今の瞬間に幸せを感じた。






ルミは、腰まであった長い髪をバッサリきり、かろうじて、後でまとめられる長さの髪にゆるく、ウェーブをかけていた。





『ルミちゃん、何か雰囲気変わったよね‼️』




『アゴ切ったんや‼️』






ひぇーっ😱!!!!!





またっ!、、、ド肝をぬくような発言をいきなりしてきたかと思ったら、




いつもの如く、ルミは矢継ぎ早に喋りまくる。





『痛かったでぇ〜‼️ 部分麻酔はきいてんけど、音が聞こえんねん、 まるで、道路工事みたいでな、、、ガ〜ン、ガ~ンて、頭に響くんや!!』





まるで、他人事みたいに話すルミの横顔をマジマジとながめながら、




『何で、そこまでしたいん? 彼は、ルミちゃんが整形してるの知ってるの!?』





ルミは、微笑みながら、答えた。




『男の人はな、あんまり、気づかへんで!!




アタシ、顔変えるたびに、髪型も変えるんや!




何にも言われた事あらへんでぇ~




ルミ、ちょと、太ったな、、、




そのほうが可愛いで!って言われたくらいやな!




 一応、成功やなー‼️(笑)😂』




そう、陽気に笑って話すのだった。





なおみは、ルミを、そこまで整形にかりたてる理由を知りたくなった。




募る話もあるが、女同士、車の中で、雑談するうちに、ルミの自宅に着いた。





家は、いかにも古い家を改造したような、一見、倉庫かと思うような、簡素な、たたずまいに見えた。




女一人、苦労してきたんだろうな、、、




軽の車から降り、玄関は何処だろう???




と、捜していると、勝手口みたいな小さなドアが、チョコンとついてある。




そのドアを開け、




ルミは『なおみちゃん、はよ、入りぃ❢』




と、案内してくれた。




改造したばかりで、中は、新しくキレイだった。




部屋に入った瞬間、木の香りがした。




物は、極力少なくガラーンとしている。




断捨離したのかも知れないが、所どころに置かれてある物が極端にコンパクトだった。




小さい冷蔵庫、


いかにも100均で買ったと見えるキッチン用品、


タンスは無く、透明の衣装ケースのみ


といった暮らしぶりを見ただけで、




苦労したんだろうな、、、ルミさん、、、。


と、改めて感じるものがあった。





女一人、息子を育て、父親から受け継いだ自宅を改造して、よく、これまで頑張ってきたな、、、。




ルミの強さに乾杯🍻




なおみは、素直に、そう思った。




部屋のド真ん中には、小さなソファーが置いてあり


あとは、やっとお皿が置ける位の小さな足の短いテーブル




部屋の隅には、これまた小さいテレビが、フローリングの上に、台すらなく、かろうじて置かれている。




物が極端に少ないのと、それぞれ置かれてある物が小さい為、部屋が広く感じた。




なおみと、ルミは、ドッコイショ‼️と、言いながら、ソファーを外し板の間に腰を下ろした。




2人とも、同時に、




『ハァ〜、、、』と、先ずは深ーい、ため息をついた。




心地良い疲れからのため息だった。。





それから、ルミは、立ち上がり、湯がいたそうめんと、できあいのコロッケや、お惣菜と、ビールをテーブルに並べ、もてなしてくれた。




なおみはルミに向かって、




『美意識高いルミちゃん、開けてみて』




と、土産物を渡す。🛍️




『ありがとな、、、何やろ???』といいながら包をあけた。




『うわ~ディオールの口紅やんかー♥アイシャドーまで、、、この色エエなあ〜💕』と、喜んでくれた。





『アタシなあ、ブランドの服なんかは、ちっとも持ってえへんねんよ? 商売柄、化粧品は、お客さんに推奨するため、取引するけどな、、、それでも、こんなブランド品もろたん初めてや!!』





『気にいってくれて良かった、、、♥』なおみが


手土産に買った、珍味や豆菓子などもお互いに、摘みながら、人と居る温もりに、最高に楽しい♫と、感じる時間を過ごせた。✨





少し、お互いがほろ酔い気分になったころ、なおみは切り出した。




『ねぇ、ルミちゃん、顔、可愛くなってるけど、また、カスタムしたぁ?』




ビールを飲みながらルミは微笑んだ。




『せやねん!』




『アタシなあ、小さい頃から、ウマヅラ!ウマヅラ!!て言われるのが、嫌でたまらんかってな、、、




顔長いのがまず、嫌やったから、アゴ切ったんや!




全体のバランス考えたら、ほっぺを、ぽっちゃりさせたかったし、ヒアルロン酸入れてん ♫ 』




と、あっけらかんと言い放った。




『そんなにウマヅラには、見えんけど?!』




『それに、面長顔は、美人顔じゃないの?!』




と、返したなおみに、ルミは、キッ‼️とムキになり語尾荒く怒り始めた。




『やって、やって、やっとコレだけやっ‼️』




『ウマヅラ! ウマヅラ!て、今まで散々、からかわれてんで‼️』





そうキツーく言い放ったあと、今度は遠くをみながら、お酒飲んだ、ほろ酔いのせいもあり、うつろいだ目つきで🍻🍺





『やっぱりなー、女は、キレーで居て、好きな人に、めでられながら、


愛されたいやんかぁ、、、、、💕』





そう言いながら、ぽ〜っと顔がピンクに染まっていく瞬間、




またもや、この、ルミという女性の念の強さを感じた。





自分のコンプレックスを自らの意識で思うように変えようとする様は、やはり、凛とした美しさを放っている。





『その、エネルギーは、一体、どこからくるの?!ルミちゃん‼️』




ルミは、ビール缶を片手に持ったまま、応えた。




『昔から、アタシ、顔で嫌な思いしたこと多かったからな、、、このままの人生じゃ、絶対イヤや‼️て、思っててんな




高校も、おもろないし、中退したし、、、それより、大人になったら、はよ働いて絶対、自分の好きなように生きてやる‼️ そないな思いで生きてきたんや❢ 』





ビール缶を強く握りかえしながら、ルミは、横になった。




途中、怒り始めたルミを見て、




もしかしたら、酒癖悪いのかな???




怒りじょうごなのかな???




 なんて、ドギマギしたが、缶ビール2本で意外と、バッタリ横に倒れてしまった。





横になった身体のまま、チラっと、目を開けたと思ったら、




『なおみちゃん、ちょっと休むでー』と、


ルミは、寝言みたいな声で、ムニャムニャと、呟いたかと思うと、スヤスヤ眠リ始めた。





ルミが眠っている間、なおみは、ルミの家をゆっくり歩いて回った。





ホントに物が少なくて、見る物もないのだが、小さい仏壇があり、その上にたった1つだけ、小さい写真が飾られてあった。





ルミの母親の写真だ。 




 ルミが幼い頃、亡くなったと、以前、聞いた事がある。




その写真に映っている母親とルミは、似ても似つかない顔立ちをしている。





ルミは父親似かも知れないのだか、何せ、昔の顔を知らないわけだし、カスタマイズしているわけだから、ルミが昔、どんな顔だったのかは、なおみには全く想像ができなかった。





30分程、仮眠をとった後、むっくりとルミが起き上がった。





もう、とっくに深夜過ぎている。アッという間に時間が過ぎた。





『なおみちゃん、一緒にお風呂入ろ?!』




そう言って、バタバタっと、風呂の湯を張りに行って、ついでに、布団の準備もしてくれた。






温泉のような大浴場ではなく、個人宅の小さい風呂に一緒にはいるのは、気恥ずかしかったが、あっけらかんと、明るく誘ってくれるルミと一緒に過ごしていると、


迷わず、なおみは『ウン‼️』と、子供みたいに即答した。





無造作になおみの前で、ポンポン服を脱ぐルミに、全く羞恥心は無い様子だ。




遂に、なおみの前に、真っ裸で仁王立ちになったかと思うと、




 『アタシ、胸に、シリコン入れてんで!!』




そう言って、誇らしげに、自分の素っ裸を披露したのだった。





  うわっ‼️‼️ また、出たぞっ‼️‼️




もう、なおみは、驚かなかった。




 ほほぅ! これが、美容医療の作品なのか‼️




 なおみは、ルミの裸体を上から下までマジマジと見た。




      とても、自然だ。




言われないと、シリコンなんて、全然分からない。





今まで、散々、整形の話をルミから聞かされ、まるでコスメで化粧するかの如く、いとも簡単に、しかも、軽ーく、全身の、美容整形をやってのける人を、なおみは、初めて拝見したのだ。





『ねぇ、ルミちゃん、触らせてもらってイイ??』





大胆に聞くなおみに、当然よ!! とでも、言いたげな顔で、




『えーよー😜』と即答。




なるほど、、、、




自分の胸よりも、少し固いな、、、くらいの感触だった。




なおみにとって、自分意外の女性のオッパイを触るのは、母親以外、初めての事だ。




勿論、母親のオッパイの感触など、記憶に残っていない。




『異物感とか、無いの?』




『入れた時は、痛みもあってんけど、もう、なじんだわ』




『何で胸まで、入れたん?』




『左右のバランスが違ってたんや‼️ 右のオッパイが小さかったからな、、、その当時付き合ってた彼に見られるのが恥ずかしかってん。




けど、今考えたら、ココまでせんでも良かったかなー???


温泉なんかで、眺めよったら、色んな胸の形の人おるやん!』




『彼には、バレんかったの?』




『その時の彼はな、お尻フェチやってん!


せっかく胸の手術したのに、あんまり、胸には、興味無くてな〜!』と、また、明るく笑って言った。





『ア』


と、思いだしたように、さらにルミが喋る。





『そーいえば、セックスの時なー、彼氏が、胸が固い!って、言った時あったわ、、、


そん時、素早くアタシ、うつ伏せになってん‼️』




『それで???』




『その後、何も言わんかったし、バレへんかったわ😂(笑)』





『ふ~ん、、、 ドタバタセックス、お疲れ様‼️』




『なんゆーてんのん、、、😂(笑)』





そんな、たわいのない話をしながら、一緒に肩を並べ、女2人、湯船に浸かって過した。





浴槽に2人で入るのは、少し窮屈だったが、そんな事よりも、正直に、どこまでも愚直に明るく話が出来るルミという女性をリスペクトするようになっていくなおみは、自分の意識改革が少しづつ起こり始めたような気がしていた。





お互い、まだまだ、喋り足りないが、睡魔には勝てず、2人とも布団に倒れ込んだ。




     →第5章に続く

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