第2話 地球が異世界化
警察署に着いたら洸介が警察官と話を始めた。
そして五分後……
留置所から出てきた徹真も一緒に事情聴取を受ける事になった。そのお相手は国のお偉いさんらしい。
「それでは皆さんこちらの会議室にお入り下さい。現内閣総理大臣の内藤とweb会議を通して話をして頂きますので」
警察署の署長だと名乗った男性に案内された会議室には大きめのテレビが置かれていて、そこには内藤という今の内閣総理大臣が映っていた。
優香に確認をしたから間違いではない。
「君たちが異世界に行っていたという方たちですか。初めまして、私は内閣総理大臣を天皇陛下より拝命した内藤と言います。皆さんのお話をうかがう前に先ずは今の日本の事をお話したいと思います」
という訳で、
その話の内容は
「もうね、大変だったんだよ。世界各国から何で日本だけ二つもお知らせがあるんだって非難が殺到しちゃってね。そんなの知るかって話だよね、ホントに。世界各国にはローマ法皇には神託があってそれが発表されたんだけど、日本はその一日前にあったものだから余計に非難が集中してねぇ……」
とざっくばらんな話し方になっている内藤大臣。
神託と
【天照大御神】
『人々よ、備えなさい 大いなる試練が貴方たちを襲います それに向けて備えるのです』
【空海】
『世界に魔物が溢れ帰る世となる 悟りを
という物だったらしく、何の事を言ってるのかちんぷんかんぷんであったのだが、神託と
そこで国として自衛隊を派遣したのだが、現在ゴブリンと命名した魔物すら銃火器が通用せずに撤退を繰り返す事になったらしい。
そして、遂に能力に目覚める者たちが現れて、その者たちがゴブリンを倒し始めると国は大急ぎで法整備を行った。
「ホントに平和な時だった国会もあの時ぐらい迅速に決まれば国民に信頼されてたんだろうけどねぇ」
愚痴も聞きながら話の続きを聞く。
魔物たちは今はダンジョンと命名された場所より湧いて出てきていたらしく、能力に目覚めた者たちがそのダンジョンに入り、魔物たちを倒して行くとダンジョンの外に出てくる事は無くなった。そこで有識者を早急に集めて会議を繰り返し、状況を確認しながら新たな法律を次々に作っていったそうだ。それは日本以外の国々でも同様にそうしたとの話である。
「でもね、何故か分からないけど日本が一番能力に目覚める人が多くてね。それでアメリカなんかからは能力者を派遣しろってせっつかれてねぇ…… でもうちとしても先ずは国民優先をしなくちゃダメでしょ? だから丁重にお断りしてたんだけどね、そしたら当時の大統領のお
そこまで聞いた時に洸介と彩夏がポツリと同じ言葉を呟いた。
「「神域結界だな(ね)……」」
「えっ、何それ? 何か知ってるのかな? それなら教えてくれないかな? もうオジサン、毎日毎日国民から責められててね。今の状況を確実に説明出来るなら少しは責められる事も無くなると思うんだよ」
聞けば集められた有識者というのが、主にラノベ作家がメインらしくて、そこに生物学者も加わって毎日、
彩夏が内藤大臣に神域結界について説明をしていた。
「それは能力に目覚めた人が作る結界とは別物なんだね?」
「そうです。異世界では神の
「そうなんだ、有難う。これは明日にでも発表しても良いよね?」
「私たちの名を出さないのであれば構いませんよ」
「あっうん。それはそうするよ。それで、今の日本や他の国々はこんな感じなんだけど、君たちが過ごした異世界についての話を聞かせてくれるかな?」
という事になり代表して洸介が話をする事になった。
「先ずは俺たちが召喚されたのはその世界を救う為でした。俺は勇者、彩夏は聖女、徹真は侍、梨華は魔導師としてのジョブを今でも得ています。そして、俺たちの召喚に巻き込まれてしまった
そこから召喚されてから邪神を討伐するまでの話が続き、最後に洸介が内藤大臣に言った。
「俺たち、六年も邪神討伐の為に戦ってきて正直に言って戻ってこれたら暫くはゆっくりと過ごしたいと思ってたんです。ですから出来れば俺たちをそっとしておいて欲しいんですけど……」
その言葉に内藤大臣は苦悩している。
「う〜ん…… 勿論だけど私としては君たちをそっとしておいて上げたい気持ちはあるんだけどね…… えっと多分だけど無理かなぁ…… 特に君たち四人はまだ地球では現れてないジョブだからねぇ…… うん、いや、でも雲隠れなんてしないでね。ちゃんと調整はするから! その日本は今も民主主義国家だから、その点は安心して欲しいんだ。それに私の個人的なアドバイザーとして動いて貰う事になるから。あ、でも
その後も言い訳のように強制依頼なんかは出したりしないからとか、国民からの非難は全部私が受けるからなどと言われて
「あ、それと大事な事を言い忘れてたよ。今の日本の成人年齢は男女問わずに十六歳となったからね。何故かって言うと若者の多くが十歳で能力に目覚めて、そこから基礎訓練を二年、ベテランに連れられて実践訓練を三年して晴れて探索者となるんだ。でも、十五歳は見習いとして活動して一年後に見習い卒業と同時に成人とするって法律になったから。結婚も可能だよ。ラノベ作家たちに押し切られちゃってねぇ……」
その後、その警察署で洸介たち五人は身分証明書の発行を受けた。時刻は午後一時である。
とりあえず徹真は梨華の家に転がり込む事となった。引っ越しした徹真の家族には警察から連絡がいったのたが、今はスペインに居るらしく正月まで帰らないとの事。なので住む場所なんかも自分で何とかしろという話らしい。
「アハハ、テッシンのご両親は変わってないね〜」
梨華がそう言って笑っていた。
そして
貴金属買取り屋はこの町で一番大きな店を選んで、徹真も
買取り価格は一グラム五千円となっていた。
そして銀行に行き口座を作り半分を預ける徹真と
そしてそのまま不動産屋に行く徹真と
「それなら私も転がり込めるような部屋をえらんでね〜」
梨華が徹真にそう言っているのを見て優香が
「
と同じような事を言ってきた。
「えっと…… うん、優香が良いなら一緒に住もう」
ここまでの間に優香の話もちゃんと聞いていた
なので優香は
だが最近になって
「そりゃあ
なんて洸介に言われたが、
何故かそれに着いてくる洸介と彩夏。不思議に思い
「いくら国の法律が変わって成人してるってことでも、
「私と洸介じゃ頼りないかも知れないけど、二人がちゃんと住める場所を選ぶまでは確認させて欲しいの」
そう言ってくれたのだ。内心で『僕がシッカリしないと』と気負っていた
「有難うございます。よろしくお願いします」
と二人に頭を下げて感謝した。優香も
「ハハハ、よせよ
「そうよ。それに私は
照れてそう言ってくれる二人に
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