魔法少女、愛を謳う
@shioshio19
星のように輝く
私はこんな自分が大嫌いだ。
勉強はできなくて、いつもテストは50点以下。
母親は私のことをほったらかし、
父親は誰かもわからない。
友達もいないし、好きな人もいない。
生きている意味なんて、もうわからない。
その時、電車が近づいてくるのが見えた。
私はその電車に引かれて死んでしまおうか。
「佐々本りおん、君、死のうとしているね。」
その声で、私は足を止めた。
「え…誰?」
そこにいたのは、毛が長い灰色の大きな猫だった。
なんで私の名前を知っているの!?
「どうせ死ぬなら、世界のために役立つことをやってみないか?」
「世界?」
「僕は魔法少女スカウトマンだよ。」
「魔法少女!?ホントのホントに!?」
魔法少女。憧れていた。でも、それは夢の中の話。
でも、どうせ死ぬなら、魔法少女になる方がましだと思った。
「でも…私なんかにできるの?」
猫はにっこり笑って言った。
「君ならできるさ。素質があるからね。」
「素質?」
「そうさ。君は、誰にも愛されず、誰からも忘れ去られてきた。…君みたいな子こそ、魔法少女に向いているんだよ。」
「本当だよ。他にも魔法少女はいるけれど、君には特別な素質がある。きっとできるさ。」
私はずっと、生きている意味を探していた。
でも、それが見つからなかった。
今、死んだとしても、結局は生きていた意味は何もない。
それなら、魔法少女になった方が良い。
「私、魔法少女になる!」
「おっけー!それじゃあ、仕事に行こう!」
「今から!?」
猫は私を仕事場へと連れて行った。
その街灯の下、異形の影が動いていた。
人間の形をしているが、首がない。
足元から黒い触手が伸びて、地面を這い回っている。
「行きなよ。あれが君の敵だ。」
「私が倒すの?」
私の手のひらが熱くなり、心臓が高鳴る。
「やり方は教えてあげる。でも、代償は君が払うんだよ。」
「変身しなよ、りおん。君にはその力がある。」
「どうすればいいの?」
「願いを力に変えてみなよ。」
願い。
私の胸の奥で、何かが燃え上がった。
心に刻まれた、ただ一つの願い——
「誰かのために、生きてみたい!」
光が私の足元から舞い上がり、
風が巻き起こって、私を包み込んだ。
指先から腕、胸へと冷たい感触が広がっていく。
白い光のリボンが形を変え、指輪、腕輪、胸当て、薄衣へと姿を変えていった。
「この体、私の……?」
鏡の中の私は、まるで別人のように星のように輝いていた。
「さあ、行こう。」
私は軽い足取りで影喰いの元へ向かった。
誰かのために生きることができる。
それだけで、私の生きる意味が見つかった気がした。
影喰いは心の影に潜み、人々の希望を奪い、ネガティブな感情を増幅させる存在だと猫は言っていた。
私はその元へ向かい、青白い光を放ちながら叫んだ。
「ガラススピア!」
影喰いは風に舞い、塵のようになって消えていった。
その瞬間、かすかに声が聞こえた気がした。
「…たす、けて」
それは気のせいだと思った。
きっと、気のせいだ。
夜が明け始め、朝日が昇りかけていた。
だが、突然、頭が割れるように痛みが走った。
意識が遠のく中、目の前に女の子の姿が見えた。
彼女は私にそっと触れた。
その瞬間、私は意識を失った。
目を開けた時、そこには彼女の姿はなかった。
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