EP012
次々と吐き出される何か…。
それは、カラフルな玉。
その玉に書かれている数字。
それが次々とモニター画面に大きく映し出される。
宅配弁当を食べながら何気なく見ていたテレビだった。
それが…、
3つ目の数字が画面に映し出された時、私は何か引っかかりを覚える…。
『ここまでは…。同じ…。』
そう…。
それは数日前…。
アリスに言われて買ったロト7…。
その時、私が選んだ数字…。
宅配弁当を食べる手を止め、財布をまさぐる。
先日買ったロト7と書かれた紙を引っ張り出す。
『4つ目…、ある…。』
『5つ目…、ある…。』
6つ目のボールが夢ロトくんから吐き出された。
その数字がモニター画面に映し出される…。
『…、ある。』
そして、7つ目…。
何度も、何度も、何度も、何度も、…。
モニター画面に映し出された数字と…、紙に印字された数字を…、見比べた…。
『…、ある。』
たぶん、私は興奮していた。
興奮により体温が上昇していた。
アリスによって適温に設定されている室内。
その室内において、掛けてる眼鏡を曇らすほどに体温を上げていた。
眼鏡を外し右手の甲で目を擦る。
額にうっすら汗をかいていた。
眼鏡の曇りを取り、かけ直して、再度モニター画面に映し出されているテレビ番組に注視した。
モニター画面の右上にずっと赤く表示されている当選番号。
曇りを取った眼鏡をかけ、目を細めて、その映し出されている数字を読む。
『合ってる…。…。…。』
「第✕✕✕回、ロト7抽選会、本数字は〇、〇、〇、〇、〇、〇、〇の、七つとなりました。この後はボーナス数字の抽選…。」
『あっ…、あっ…、当たってる…。』
女性リポーターの声に合わせて、くじに印字されている全てを確認した。
その女性リポーターの読み上げる内容とも、全て合っていた。
開催回数も、数字も、全て…。
「ア…、アリス。い…、1等…、当たった。」
「オメデトウ。」
機械的な音声で祝福してくれた。
「ど…、どうすれば?」
「ジロ、深呼吸。」
「は、はい。」
私の慌てようとは裏腹に冷静なアリスは、私の体調に注意を促す。
「ジロ。火曜日、宝クジ売り場。」
「か…、火曜日…?なぜ?」
「土日、銀行休業。月曜日、ジロ仕事。」
「そ…、そうか…。」
私はアリスの言いつけ通りに深呼吸を行ったが、全然、落ち着いてはいなかった。
「火曜日。当選券。身分証明書。印鑑。」
「ハンコと…、身分証明書…、免許証で大丈夫?」
「問題ナシ。障害者手帳。」
「わ…、分かった…。火曜日まで…、この当たりくじ…、どうすれば…。」
「家、保管。アリス、監視。」
「わ…、分かった…。火曜日は…、どうすれば…。」
「全部持参、宝クジ売リ場。」
「うん…。」
「宝クジ、当選照会。高額当選者、別室。」
「うん…。」
「銀行員出向ク。指示、聞ク。」
「うん…。」
「銀行員、数問質問。」
「うん…?」
「購入場所。日時。身分証明。仕事。…等々。」
「うん…?」
「終了。当選金、支払イ。」
「うん…。」
「ジロ、当該銀行口座アリ。即入金。」
「うん…。」
「銀行側、貯蓄サービス、寄付、当座預金開設、等、セールス。」
「どうすれば…?」
「株式、購入。」
「えっ?」
「当選金全額、購入。」
「…、う…、うん…。」
「会社名、株式会社ニーン…。」
「…。メ…、メモする…。」
アリスの考えを理解することは今の私では到底無理。
過去の私であっても…、…、…、考えても詮無いこと…。
とにかく、火曜日は焦らずにアリスの指示通りに行動する。
それがアリスのリクエストなのだから…。
≪続く≫
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