第6話 NTRシーンの場所がえぐすぎる
「まあそのまま獣人ルートを通ってくれ」
「あ。あぁ……」
いつ、どこでNTRシーンが差し込まれるのかびくびくしながら攻略していく。
ただ攻略に関しては獣化したヒロインの強さが圧倒的で、この子1人で良いんじゃと思わせる程に強い。
ステータスの暴力で雑魚敵を圧倒していき、ボス相手にも他のメンバーよりも圧倒的なDPSを叩き出してる。
怖いくらいに順調に攻略が進む。だけど、いつNTRシーンが差し込まれるのは分からない恐怖がある。
「あれ、よく見たら日付が飛んでるな」
「個別ルートを通ると31日過ぎるんだ。30日にピロートーク、そして31日目って感じだ」
「なるほど?」
日数を飛ばした記憶が無いが、個別ルートに入るとそうなってるのか。
水樹曰く、あくまでそれだけ関係が進みましたと演出する為のフレーバーで、期日までに攻略しないとバッドエンドというものは無いらしい。
で、それはそうと。
「水樹、ラスボスまであとどれくらいかかる?」
「あ、悪い。これRPGとしてもそこそこ長いんだったわ」
「おい!」
「んー、まあそのヒロインなら問題ないか。雑魚を無視してラスボスまで最速で駆け抜けてもらうか」
と言うことで水樹に操作交代してラスボスまでの道をRTAの如く最速で駆け抜けていった。レベルアップとかはもう大丈夫らしいので道中の雑魚敵を避けてボスのみ倒していってる。
それでも30分はかかってた。
『ぐぅあぁぁぁぁぁ!!』
『やったか!?』
『ふ、ふふふ……穢れたお前等に、負けるのなら、まあ良いわ……』
『穢れただと……?』
あ、やったかっていう生存フラグを建てられてるのにラスボスがやられた。
いや処女と童貞じゃないと完全消滅を狙えない設定だから、この場合だと復活できるから今は大人しくやられた事にするっていう感じか。だとしたら、これ普通に生存フラグ成立してるな。
「何というか、ラスボス戦どうするんだと思ったが、呆気なかったな」
「ま、個別ルートのラスボスはそんなもんよ」
水樹はトゥルーエンドと個別エンド、どっちも攻略したから強さの違いが分かってるって感じか。
なんて考えていたら、イベントスチルが出てきた。
そのイラストは勇者の横には幼馴染……では無く、攻略したヒロインの獣人が勇者の横に居て、2人仲良く過ごしている姿が映し出された。
……おい待て、幼馴染は、どこ行った?
「おい水樹。幼馴染はどこ行った?」
「そりゃ離れるに決まってるだろ。獣人選んで幼馴染を捨てたのはお前だぜ?」
「ぐっ……」
確かに幼馴染以外のルートが気になって獣人を攻略した。
だが、NTRシーンを一切映し出されていないのにも関わらず、幼馴染が離れていった経緯を描写されていないのは説明不足だと思うぞ。
「このままだと分からんだろうから、一度真っ更なデータで遊んでみるか」
水樹がそう言ってゲームを一旦閉じ、これと同じゲームを置き換えずにダウンロードし始めて、新しいデータで起動した。
「西村、この画面よく覚えてくれ」
水樹が操作してCG集には何もない状態の確認させられた。
純愛シーンと同じくらいNTRシーンの枠もあるのに、本編では一切NTRシーンは映し出されなかった。
なんなんだ?何か条件でもあるのか?
「さて覚えた所で序盤で幼馴染に手を出してみよう」
ちゃちゃっとチュートリアルを終わらせて幼馴染に手を出した。映し出されるのは純愛そのものだが、コレをすると他のヒロインが男連れで現れるって事しか分からない。
「で、セーブしてさっきのCG集に戻るとしましょう」
「ん?コレでいいのか?」
「おう。ココからはお前が操作するといいぜ」
不気味な笑顔を見せながら操作を俺に譲ってきた。
何が狙いだと思いながらセーブをしてタイトル画面に戻った。
そしてCG集を見るを選択したら、とんでもないのを追加されていた。
「……っ!?」
「西村?どうよ?」
「はっ……は……?」
「分かる。俺もそうなったから」
水樹も俺と同じ思いを抱いたらしい。
だが、このやり方はどうやったらCGコンプリートできるかとか、NTRシーンが見たい人は見る為のヒントが無いか確認しにCG集を見るを選択するだろう。
CG集を見るを選択した人へ自分の行いを突きつけるものだった。
「これ思いついた製作者はすげぇ底意地悪いっていうか、こういう演出にするのかと思ったよな」
「純愛があるからこそのNTRってそういう事かよ!」
思わず俺は叫んだ。キャッチコピーの純愛があるからこそのNTRの意味が分かった。
サキュバスと幼馴染以外のヒロインが他の男とよろしくヤるNTRシーンが追加されていた。
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