第11話 いざ、イメチェン
特に夢は見ていなかったと思う。
単に覚えていないだけかもしれないが。
とにかく夢は見ていない。
意識遠のいたと思ったら。知らない香りがふとしてきて目が覚めた。
「――うーん……あれ?あっ、あのまま寝ちゃったか――ってここは、あー、そうか。飛鳥さんの部屋か。まあ昨日もだが突然元の身体に戻るとかはないかな。ふぁぁぁ……」
飛鳥さんの生活している寮に来た翌日。
うつ伏せでぶっ倒れていたらしく。枕に埋もれる形の俺。
すんすん。
今までなら汗臭い臭いがすることもあった。よい香りがすることはなかったと思うが。
今はちょっとだけ良い香りがする。
あと髪が顔に巻き付く形になりくすぐったさもある。髪の長い人って寝る時どうしているのだろうか?
そのまま結んでいる?
いや、結んだら寝返りとかで違和感ありそうだよな。
やっぱりそのままなのか?
まあいいか。
絡みつく髪をどけると、昨日頑張って?必死に?洗ったというべきか。泡だらけになっただけというか。とにかく洗ったからか。少しだけ髪からも良い香りがした。
すんすん。
ちなみに、匂いを嗅ぎまくっているように見えるかもしれないが決して俺は変態ではない。
力尽きてうつ伏せで寝てしまう体力しかない飛鳥さんの身体が悪いのである。
たまたまうつ伏せで枕に沈んでいたからの結果であって――すみません。しなくてよいことしました。
今後は注意――できればしたいと思います。
少しだけ良い香りに癒された後。
ゆっくり体を起こすと、まず部屋が明るいことに気が付いた。なお、カーテンが開いていたわけではなく。単に電気を消し忘れていた。
どういう仕組みか今はまだわかっていないが。飛鳥さん(今は俺)の生活を払ってくれているだろう親?に通じないだろうが一応電気の無駄使い?しました。と、一瞬だけ思った後立ち上がる。
ちなみにベッドは気持ちよかった。
意外とふかふかだったからか。初めてでもちゃんと寝れたようだ。疲れは残っていない。
気持ちよかったので今後も睡眠に関しては問題なさそうだ。
窓際へと移動してカーテンを開ける。
外は快晴――ではなく。今日も曇り空だった。
昨日もこの島だけ曇りだった気がするが。海のど真ん中にあるから天気が悪いことが多いのだろうか?それともたまたま?
または――やっぱり今後の俺の人生が怪しいと空が伝えてくれているのだろうか?
って、すでに女になっちゃった。ということでおかしくなっているからどんな事起こっても問題ないかもな。
「っか、何時だ?」
キョロキョロとまだ慣れない室内でタブレット端末を探す。
「タブレットタブレット――昨日ベッドのところで触っていたような……」
タブレット端末は寝室の机の上にあった。
手に取ると画面を付けて時間を確認する。
「――あれ?まだ7時前か」
意外だった。
実は目覚ましもかけず寝ていたので、少し寝すぎたかもと思ったが意外とまだ早い時間だった。
ちなみに休みならゆっくり寝ていることが多かったもともとの俺だが。もしかするとこれも飛鳥さんの習慣が染み付いたものなのかもしれない。
飛鳥さん早寝早起き説だな。そうすると昨日の夜すぐ寝た理由も付くし。
ちなみに今の俺。まだ早い時間だからと言って、特に眠気もなく。二度寝をしたい。という気持ちより。昨晩の風呂での髪邪魔。そして起きた時の髪邪魔。というのが頭の中にあったため俺は起き上がるとそのまま寝室でパジャマをポイポイと脱いで下着姿のままウロウロ。
決して飛鳥さんの下着姿を見たい。
下着姿にさせたいわけではない。
普通に着替えを探しているのだ(探しているのならまだ脱がなくてもいいだろうと言われたら――それまでか)。
飛鳥さんの荷物は少ないはずなのに、知らない部屋の中では服がどこに何があるのかわからないので、とりあえずもしかすると俺の記憶違いかもしれないので、確認のためパジャマを準備した時に確認した下着が入っていた小さな引き出しを開けるとシンプルな下着たちが無事に現れた(単に見たかっただけではなく。ちゃんと記憶があっているかの確認である)。
「……わざとじゃないぞ」
俺は誰に何を言っているのか。
だが確認は大事なことだ。必要なことと思い次のところを開く。
昨日はたまたま一発で下着を発見しているので、この次の引き出しは本当に何があるのか知らない。
次の引き出しを開けてみると――新品の下着たち。
本当に知らなったぞ?これは本当にたまたまだ。
ちなみにこちらもシンプル。上下とも派手なものは一切ない。
また、飛鳥さんとあるところを盛っている様子もない。
――この情報はいらないか。でも大丈夫だろう。誰かに聞かれているわけではない。俺が犯罪者にされることはないだろう。
「――そういやそのうち服とかも買わないといけなくなるのか」
下着類を見つつふと思う俺。
もちろん今あるものをしばらくは使えるだろう。
現に新品の下着類ならまだ数着は新品があるのですぐに必要ということはない。
しかしそのうち絶対買いに行くイベントなどが起こる。
見た目は問題ないと思うが自分に選べるのだろうか?と一瞬だけ不安が過る。
「まあ今はいいか」
何故か朝から下着姿で女子の下着を観察する俺。
昨日ちゃんとあされなかったので必要なことだ。
また誰に言っているかわからない言い訳を頭の中に思いつつ。
その後俺は無事にパーカーとジーンズなどがもう1つの少し大きな引き出しにあったのでそれを着た。
普通大きな引き出しにあるのでは?と言われるかもだが。俺はまだ飛鳥さんのことをわかっていないので、仕方ないのだ(ちょっとだけ見たい気持ちはもちろんある――って、何言わせるんだ!って、誰も聞いてきてないか)。
パーカー、ジーンズともに薄めの色。大人しめの雰囲気の物だ。
もちろんだが飛鳥さんの服なので、サイズはピッタリだ。苦しくもなく問題なし。
「多分これで良いよな?」
パーカーとジーンズなら着方を間違えることはないと思っていたが。一応着替えた後洗面所へと移動して鏡の前でくるくる回った。
髪がやはり邪魔だったが。パッと見変じゃないし。俺がもし今の姿を見ても変には思わないので良しとした。
「着替え終わり。まずは――朝ごはん食べつつおばちゃんに床屋――いや、こういう時は美容室か。美容室の場所聞こうかな」
着替えを終えた後俺は食堂へと向かった。
部屋から食堂までは特に誰かと会うことはなく。また静かだった。
食堂はもう開いており。室内は良いパンの香りがしていた。
これだけでお腹が空いてくる。
ちなみに今利用している生徒はまだぽつぽつしかいなかった。
1人で利用の生徒ばかりだからか。食堂内はおっちゃんの調理する音が響いているだけだ。
やはり休日なので朝の早い時間は空いているのだろうか?などと思いつつ俺は券売機の前へ行き。モーニングと書かれたトーストとゆで卵のセットを購入して、おっちゃんの元へ移動し朝御飯を受け取った。
その際にまたおっちゃんに驚かれたような表情をされた気がしたが。そのあとすぐに次の生徒が入って来ていたので俺はそのまま空いていた席に向かった。
昨日の晩御飯は満腹になってしまったが。モーニングの量はちょうどよかった。
苦戦することなく食べ終えて少しゆっくりしたあと。食器を返却しに行くと。ちょうど裏口から入って来るおばちゃんの姿を見つけたため。俺はおばちゃんに声をかけた。
本当は朝の時間は忙しいかと思ったので、後で時間を作ってもらおうと思ったが。どうやらおばちゃん的には今はまだ時間に余裕がある(基本おっちゃんが頑張っているから問題ないらしく)俺が美容室の場所を知りたいと話すとすぐに。よく寮の生徒が行っているという近く(近くと言っても島にはないので必ず電車に乗る必要があるが)の美容室をいくつか教えてもらった。
ちなみにおばちゃんカットという選択肢もあるらしい。
さすがにその選択肢を選ぶ勇気はなかったが――。
ヒョウ柄とかが似合う髪型とかにされるかもだし(勝手な想像だがそんな髪型あるのだろうか?)。
とにかく。朝御飯後俺はいくつか教えてもらった美容室を自分の部屋に戻りチェックすることにした。
おばちゃんに教えてもらったお店は、調べてみると古くからあるお店から新しいお店までと、意外といろいろなお店を教えてくれた。
順番にタブレット端末でお店の情報を調べていく。
お店の所在地を見ていくと、基本島から直通の線路が繋がっている四日市市内か松阪市内のお店を教えてくれていた。
さらにタブレット端末で支払いが出来るお店を教えてくれていた。
どうやら島以外のお店でもこの碧鸞鳳学園の校章が表示されているお店ではタブレット端末で支払いが可能らしい。
余談だが公共交通機関はほぼすべて利用可能らしい。
この学園めっちゃすごいところ?なのかもしれない。俺の記憶にはなかった学園だが――。
現状飛鳥さんのことをわかっていない俺。実は飛鳥さんの持ち金もまだ見つけていない。財布とか。タブレット端末以外の貴重品どこにあるのだろうか?という状況だ。
なのでいくらまでタブレット端末での支払いが使えるのかはわからないが。タブレット端末で支払いが出来るお店というのがまず絶対条件だ。
「電話かネット予約――って、埋まってるなー」
順番におばちゃんに教えてもらったお店のホームページを見ていくと休日だからなのかどこも予約はいっぱいの表示だった。
「――一応電話で確認すれば空いている可能性もあるのか」
直接お店に出向いて予約なしで大丈夫ですか?などと聞いて行くのはちょっと初美容室の俺にはハードルが高い。
でも電話ならまだいける。
時間もそろそろ早いところは開く時間だ。
ということで俺はおばちゃんに聞いたお店にとりあえず電話で予約が取れるか確認をするためにいくつか連絡をしてみたのだが――。
「――わかりました。ありがとうございます」
結果。おばちゃんに教えてもらったお店。
すべて来週末まで空いていなかった。
どうやら週初めは休みのお店が多いらしく。土日が埋まっていると自然と週末になってしまうらしい。
「――週末か。さすがに俺が生活できるか不安だな」
長い髪を触りつつどうするかタブレット端末を触りながら考える。
地図のアプリで美容室を検索をかけてみる。基本おばちゃんが教えてくれたところが出てくる。その他にもいろいろヒットしては来るが。学園の校章がないとだめだ。
すると1つ。まだ新しいと思われるお店がふと目に留まった。
「あれ?ここも校章付いてる?」
ふと地図上で見つけたお店。
そのままお店のホームページに入って見ると。支払い方法のところに碧鸞鳳学園の校章が小さく出ていた。
つまりタブレット端末で支払い可能である。
さらに予約状況を見ると今日の午後空いていると表示が出ている。
まるで来い!と美容室に言われているみたいだ。
「この直感信じていいだろうか」
おばちゃんからは聞かなかったお店。
でもネットの情報だけを見れば明るく。おしゃれなお店の画像が掲載されている。これで実際行ったらヤバい店でした。ということはないはず。
そもそも学園の校章が使われているということは学園とつながりがあるはず。
どのように契約?しているのかは知らないので何とも言えないところだが。
あと、そもそも美容室初体験となる俺。どういう基準で選んだら良いのかがいまいちわかっていない。
でも悩んでいる間に、もし空きが埋まってしまうとまた他を探さないといけなくなる。なら見つけたここに行ってみるべきだろう。
飛鳥さんには悪いが。なんかミスったらミスっただ。
俺的には自分の身体じゃないからか。心配はあるがそこまで――である。
決心すると俺はタブレット端末を操作して、予約方法を確認すると。このままホームページから予約が出来るみたいだったので、タブレット端末を操作した。
すると入力画面が出てきた。
「名前と――連絡先。メニューは染めるとかじゃないし。とりあえずカットで良いか。何か足らなかったら受付の時に言われるだろ。あ、学生割引ある。使えるのかな?学生証あるし使えるよな?まあそれも聞けばいいか。えっとあと時間――って、これだけで良いのか」
意外と簡単に予約の画面の入力はできた。
入力後画面の一番下の送信ボタンを押す。するとすぐにメッセージ通知が来た。
「おお、できちゃったよ」
予約完了の文字。
勢いで決めてしまったが大丈夫かなあ?と、思いつつも予約したのだから向かわないといけない。
ちなみにお店の場所は四日市市のお隣の町だった。
「ここからだと――」
経路をタブレット端末で確認する。
島から四日市方面の電車に乗り。四日市で乗り換えみたいだった。
お店の最寄り駅からも徒歩2分。そしてほぼ直線なので迷うこともなさそうだった。
美容室を予約後。
俺は服装はこのままで良いだろうか?と少し鏡の前で考えたが。結局今のままで行くことにした。
実は少し飛鳥さんの部屋をあさり。他の服も確認したのだが。今着ている服が一番俺的に落ち着く気がしたので、今の服で行くことにした。
ワンピースとか。ひらひら?の付いた服も一応見つけたのだが。ちゃんと着ていけるのか不安もあったのでやめた。
服の検討で少し出発まではバタバタ。さらに荷物の準備を思い出して準備でもバタバタ。ちなみにその際飛鳥さんの財布をたまたま発見。なお特に飛鳥さんの新たな情報を得れそうなものは入っていなかった。また学生だから仕方ないが。そこまで多くのお金は入っていなかった。
まあ俺の使っていた財布もいつもあまり入れていなかったが。まさか飛鳥さんもか?もしかして他に置いてある?とか思ったのだが。ここで室内をあさり始めると時間があっという間に過ぎてしまうので、出かける準備だけして、俺は無事にお昼前には寮を出た。
なお、寮を出た俺とあることに気が付いた。
「電車の時間確認しなかった……」
時刻表というのはこの島に来た時にちらっと見ただけ。
ちなみに飛鳥さんの部屋に駅の時刻表はなかった。
極端に少なかったようには見えなかったが。もし駅に行ってしばらく待つというのもだったので俺は寮を出ると小走りで駅へと向かった。
なお小走りでも髪が邪魔だ――飛鳥さん普段どうしていたんだよホント。
髪と少し格闘しつつ駅に到着すると。今日は駅に学生がちらほら居た。
また駅員さんの姿も複数あった。
どうやら島には何もないので、休日は島の外へと出かける学生が多いらしく利用客が増えるみたいだ。
「えっと――四日市方面は――」
時刻表を確認すると。
「30分後か」
微妙な待ち時間があった。
でも駅のホームの方を見るとすでにこの島に来るときに乗って来た青色を基調としたディーゼル機関車と客車が1番線に止まっている。
「乗ることはできるのか?」
寮に戻って待つほどでもないので改札にタブレット端末をかざして駅の中へと入る。
すると俺が改札を抜けると同時にディーゼル機関車が音をあげ出した。
一瞬発車するのか?と、思い俺は走り出しそうになったが違った。
確かに発車するときの音だったが動き出したのはディーゼル機関車のみ。
何をしているのだろうか?と、思いつつ駅のホームに残された車両がある1番線へと歩いていく。
動き出したディーゼル機関車はそのまま数メートル前へ。その先の線路は50メートルほどで終わっている方へとゆっくり走って行く。
すると、この島に来た時は気が付かなかったが。ここの駅構内の線路は先に少しだけ線路が続いており。少し進むと途中で1番線と2番線の線路が一緒になっていた。
さらに線路をよく見るとこの駅構内の線路は4本ある。
普通には2本だ。でも1番線も2番線も4本線路が敷かれてる。
そのため駅自体はすごくシンプルなのに、ポイントになっているところは何故か普通のポイントよりごちゃごちゃしているように見えた。
なお、線路が4本ある理由はすぐに分かった。
1番線の方に止まっている車両は乗れるみたいだったが。まだ発車まで時間があるのでホームの先。四日市方面と松阪方面への線路が続いていっている方を少し見に言ってみると。
こちら側も駅を出てすぐのところで複雑なポイントがあり1番線と2番線の間に反対側と同じくらいの長さの待避線があり。そこまではそれぞれ4本の線路が敷かれている。
しかし四日市方面と松阪方面の線路は普通に2本となっている。
なっているが。よく見ると四日市方面と松阪方面では線路幅が違う。
昨日乗って来た松阪方面の線路の方が4本敷かれている線路で言うと内側。
今から乗る四日市方面が外側の線路幅だった。
線路幅が違うことに俺が気が付くと。ちょうどその時先ほど動き出したディーゼル機関車が1番線から1番線と2番線の線路が一緒になった線路へと入っており。再度汽笛を鳴らして動き出したところだった。
そして今度は駅に向かって走り出し2番線へと入って来た。
ディーゼル機関車はゆっくりと2番線を走行し。止まることなく俺の横を通過。そして駅の先にある退避線へとゆっくり入っていった。
様子をそのまま見ていると。すぐにまた今度はこちらへと向かって動き出し。今度はゆっくりと客車の止まっている1番線へと向かって走りだした。
「あー、なるほど進行方向を変えないといけないからか」
さすがにそこまで見ていれば俺でもわかった。
どうやら今はディーゼル機関車の付け替えをしていたらしい。
この駅に転車台というものは見当たらないので駅に着くたびにディーゼル機関車だけ動かして先頭車両になる方へと連結しなおしているようだ。
もしかすると昨日松阪駅ではすでに島の方向にディーゼル機関車が連結されていたが。向こうでもしているのかもしれない。
ディーゼル機関車が1番線へと入って来る。
すると、ホーム上に居た駅員さんの声が聞こえて来た。
「連結ー!」
そのあとガッチャンと、そのあとディーゼル機関車がまた1番線に止まっていた客車に連結された。
「これ毎回してるのか。って、なんで線路幅が違うんだ?」
再度海の上へとのびている各線路を見る俺。
普通同じ線路幅で良い気がするが。何故違うのかという疑問の答えは出ないまま俺は1番線の客車へと乗り込んだ。
車内にはすでに数人の生徒らしき利用客が座っている。
ちなみに俺はやはり目立つのか。車内へと入った際に視線を感じたが気にせず一番入り口に近い席へと座った。
少し車内からボーっと外の景色を見ていると汽笛が聞こえ。ゆっくりと景色が動き出した。
そして駅を離れてすぐまた昨日と同じく海の上を走りだす。
島を出てしばらくは曇りだったが。次第に雲が薄くなり海も輝き出した。
30分ほど揺られていると工場地帯がまず見えて来た。そのあと町も見えてくる。
そして四日市の駅はJRの四日市ではなく。近鉄の四日市駅の方に到着するらしく。陸が近くなると海沿いではなく。少し内陸に向かって走り。その際一度ガチャガチャとたくさんのポイントを渡っているような音が聞こえた。
そして気が付けば単線から複線の線路に。どうやら列車は途中から近鉄線を走っていたらしく。そのまま近鉄四日市駅の何処かのホームへと――と、思いきや。少し近鉄四日市駅を通過ではないが。本線から逸れたところにそのまま走り停車した。
ちなみにちゃんとホームはあった。
そして窓から後ろの方を見ると近鉄四日市駅が見える。
他の学生らしき人が降りた後。最後に俺は列車から下りてキョロキョロとあたりを見ると駅の表記は7.8番線だった。
「……」
7.8番線だ。
7番線でも8番線でもなく。7.8。謎だ。謎すぎる。
でも俺が考えてもこれはわからない事だろうからすぐに考えるのをやめ。俺は乗り換えをするためとりあえず出口と書かれている方へとまず歩き出した。
列車を下りてからは階段を上り。歩き歩き――結果的には近鉄の四日市駅の改札内のところに出た。
いやいや、できれば同じ場所に作って欲しかったが。多分学園専用の列車を普通の駅には止めれなかったのだろう。
あれ?そういえば松阪の時は普通に。それもJRのど真ん中にあったような――何か違うのだろうか?
あそこはたまたま空いていた?そんなことあるのか?
とまあ、一度しかまだ見ていないので、もしかしたら何か理由があるのかもしれないと思ったが。それより今は予定があるため俺はとりあえず乗り換えをすることにした。
学園専用の列車を下りた後は近鉄の普通列車に乗り数駅。
ちなみにあまりこのあたりは元の身体では来たことがなかったか。全くないというわけではなかったので、なんとなく聞いたことのある駅名はいくつかあった。
なのでやはり俺が生きていた――って、ここで俺はとあることを思い出した。
「――松阪方面の美容室に行けば帰りに実家も寄れたじゃん」
車内でつぶやき。頭を押さえる。
幸い周りに人がいなかったので誰にも聞かれてはいないだろう。
でも本来なら美容室も今後もこの身体で生活となると大切なことなのだが。それよりも自分の家へと向かい。自分の身体を確認する必要があったのに、まさかの美容室探しに必死になり本来の自分の事を探すことをすっかり忘れていた俺だった。
けれどもう美容室の最寄り駅へと到着する。
とりあえず今からは美容室だ。
ドタキャンはさすがにできない。
美容室の最寄り駅へと到着した俺はタブレット端末片手に地図を見つつ美容室を探した。
駅を出て少しすると。明るいクリーム色の外壁の建物が見えてきた。
どうやらあそこが目的地のようだ。
そしてこの後初美容室の俺。いろいろ関門が待っている。
建物が近付いてくるとちょっとドキドキ。脳内では軽くこの後のシミュレーションをしていた。
それもあってか。美容室の前へと到着する頃には、自分の家を確認する。ということに関しては綺麗に忘れていた俺だった。
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