第3話

「最近変わったことはねぇだろうな?」


「え?変わったことって?」


「ルシフェルが一番の問題かな?周りが荒れてきてるからね。朱理が狙われる可能性もあるんだ」


「ルシフェルねぇ~」


んー、と朱理が首を傾げて見せる。


「護衛とか」


「いらないからね?」


紅が護衛、と口にした瞬間に被せるように朱理が拒否を示した。


「でもよ~、危ねぇだろ~よ」


「そうだぜ!俺たちがいれば守ってやれるのによー!!」


「みんながずっといたほうがいろいろ危ないから」


呆れたような声で言われてはそれ以上強く言えなかった。



確かに常に一緒にいれば、さらに狙われることは増えるかもしれない。


それに加えて女の嫉妬という危害も増えることになる。



「……気ぃつけろよ」


「うん。ありがとう、瑠生」



嵐神のお姫様はいまだに、どこまでも自由で縛られない。


何も気にしなくてもいいように、早く片付けてしまおう、と嵐神幹部は頷いた。




***



じりじりと白い肌を焼く熱。


ぐだり、と整った顔の青年が嵐神倉庫の1階部分に置かれているソファに項垂れていた。


周りにはタンクトップや薄い半袖、半裸に近いような男さえいるというのに、なぜかほとんど露出のないTシャツとパンツ。


さらにパーカーまで着込んでいる。



(暑い……)



「おーじ、だい……じょぶ……?」


「……暑い………」


本日は猛暑日。


しかも太陽は真上に位置している時間帯。


普段ならば昼間は動かない王子、の姿をした由良はなぜか嵐神の倉庫にいた。


というのもこの嵐神の総長様に呼び出されたからなのだが、なぜか本人が不在。


幹部もほとんどが不在。


朱理も来ていないことから、おそらくお姫様のところにでも集まっているのだろうとは思うが。



ただでさえ暑いのに由良はパーカーという上着まで羽織っている。


そんな由良に、諌那が抱きつくようにしながら心配していて、由良はさらにぐだりとソファと一体化した。


そのままコンクリートむきだしの床にずり落ちてしまいそうな勢いで、同じ空間にいる人間をはらはらとさせていた。

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