第5話 死闘、最終ホール!
まず大尾さん、11番ホール(パー3、210Y)のティーショットで例によって大きくスライスさせてしまったのだが、ボール飛び出し防止用のネットを張る電柱に直撃したそれは、鮮やかにコース内に跳ね返って見事にカップイン、なんとホールインワンを達成してしまったのだ!
……言わずもがなですけど、それに気をよくしてその後はドカドカOBを連発したんですけどね。
富徳さんは13番のセカンドショット(
鳩賀さん、14番のロングパット(約15Y)を見事に決めて見せたのだが、その直後に「っしゃあぁっ!」と雄叫びを上げて手にしたパターをびゅんと振り回して……
フェース(当てる部分)がすっぽ抜けて、すっ飛んで行ってしまった(笑……えないわよ危ないなぁ)。
当然接着剤なんか持ってないので、仕方なく他のクラブでパットする羽目になるのだが、おかげでテンションだだ下がりだ。
ま、そのほうが早く進行するんですけどね、皮肉な事に。
そしてついに訪れた最終18番H。ここまでのトップは14Hでパターを失ったおかげで、逆にゴルフがまともになってきた鳩賀さん、スコアは176。
二位につけているのが毎度毎度ティショットでOBを叩き出している大尾さんだ。もうすっかりプレイング4救済からのまとめが板についていて、極端に大崩れする要素が無くなってきていた……スコア178。
現在最下位の徳富さん。なんか13Hのナイスアプローチがピンに弾き飛ばされて以来鳴かず飛ばずで、良くもなく悪くもなくといった感じ、180。
いよいよここで決着がつく。オナーは前のホールで一番打数の少なかった大尾さんからだ。他の二人が「「お・お・びぃ! お・お・びぃ!」」とエールともヤジとも取れるコールを叫んでいる……ティーショット時はお静かに。
と、大尾さんが
「泣きの一回、
やっぱり今日も最後の最後に来て『代打ち』をしろというのか……これ3カ月前のコンペからの恒例で、勝負所のショットで各人一回だけ私に代わりに打ってくれと頼まれるのだ。
私は一応プロを目指していたんでそれなりには打てるんだけど、そのせいでこの3人のコンペの専属キャディにされるんですけどね……。
「仕方ないですねぇ、OBになってもしりませんよ」
「うむ、覚悟の上だよ」「それ、いつもだから問題なし」「んだんだ」
大尾さんに続いて他の二人も笑顔でこくこく頷く。あー、後の二人も肝心なところで私に頼る気満々だわこりゃ。つか他力本願で勝負に勝って嬉しいのかなぁ。
パッキャアァーン!
「「「ナーイスショットーっ!」」」
私のティーショットは見事にフェアウェイ真ん中を捕らえた。うん、まだまだ腕は衰えて無いわね……。
「って、キャディの私が『ナイスショット』って言われてどないすんじゃい!」
言う方だろうが! というか一度くらい言わせろや!!
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