歩き続ける誰かの歌

渡士 愉雨(わたし ゆう)

雨を辿って、遥か

 曇天の朝


 目覚める度、生きる意味に思いを馳せる


 生きていていいの?


 問いかける相手もなく、問いかけても答えはない


 答出せないまま惰性で生きる


 いつしか降り出した雨の冷たさ


 それはきっと、心穿つ針


 積み重なる痛み、きっと誰にも分からない


 何かが心から流れても、私はただそのままに


 歩み続くまま、1人




 雨続く日々


 生きていく意味、今日もまた思いを馳せる


 生きていていいの?


 問える誰かができた 今は怖くて訊けやしない


 答出せないまま必死に生きる


 ずっと降り続ける雨の冷たさ


 何故だろう、痛みは薄れた


 積み重なる痛み、きっと誰にも分からない


 けれども私はそれでよかった 君は私だけの傘


 歩み止まっても 2人 




 雨中、震え、無様な問い掛け


 君はそれに応えてくれた 


 見上げれば、満天の星空




 積み重なる痛み、きっと誰にも分からない


 構わない 君がいてくれるなら 夜明け曇天を往こう


 歩み果てなくとも 遥か 

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