第2話 宇宙紀元553年 アクア
さっきまで一緒にいたアクアの姿が消えた。
宇宙(ソラ)から落ちて来た4つの太陽の1つが目の前に。
大きな太陽が僕らをのみこみ。
僕は、マゼランと2人、気を失った。
気がつくと僕らは草むらの中に倒れこんでいた。
目の前にアクアがいた。
僕は起き上がり「アクア」と呼びかけるも声が届かない。
横にいたはずのマゼランの姿も消えた。
僕は立ち上がりアクアへと近づこうとするけどいけない。
見えない壁?時空の壁のようだ。
よく見るとアクアは6才のアクアじゃなかった。
16才?10年ほど時間が経ったようだ。
アクアが学校にいる。たくさんのクラスメートたちがいる。
アクアはPC?通信機器?携帯だ。携帯でガンガン遊んでいる。
よく見ると顔つきがキレイな女子になっている。
さっきまで、野原を駆けまわっていた無邪気な子供の顔はない。
「アクアどうした?」
「ばーか。時空も星も違うぞ。ここはお前たちのはじまりの星。アルファ星ではないぞ。」
声がする。振り向くと
目の前に手のひらに乗るような
小さな顔つきの太陽が。手足もある。
「おー、可愛いい。」僕は思わず声を出してしまった。
「キモい。俺様は男子に興味はないぞ。
そこのまぬけな子供。
ここは10年後の
アクアの世界だ。」
「お前は誰だ。太陽に見えるが太陽じゃないな。生意気な太陽だ。
可愛いが。可愛くないぞ。」
「お前は誰だ?」
「俺様は全てを見通し照らす全知太陽ガルだ。」
「ガル?聞いたことないぞ。怪しいなお前。」
「口が悪い子供。アオ。」
「どうして僕の名前を知ってるんだ。
ますます怪しいぞ。」
生意気な小さな太陽ガルは宙を浮きながら
「仕方ないな。話してやるか。
アオ達の星、アルファ星はこの宇宙のはじまりの星にしてこの星で育った子供たちは全宇宙へと転移していく。
簡単にいうとだな。全宇宙の星は今でこそ個性ある別々の星だ。だがそこに存在する生命体はこのアルファ星から生まれている。
姿形は違うが元は同じだ。」
「へえー、ガル。そんな大きな話をされても
6才の僕には響かないぞ。」
「そうだな。これは俺様の判断ミスだったか。アオお前は、もう少し賢いと思ったんだがな。」
「おい、ガル。勝手に僕のレベルを判断するな。」
「俺様は4つの太陽の一つ。もっとも偉い全知太陽ガル様だ。
この話は、1000年に一度、アルファ星の選ばれし子供に伝承として伝えなければいけない。
そしてその1000年目がちょうど今だ。
俺様は折神、オリカミをお前に渡した。」
「あー、さっきの折り紙だな。」
「違うぞ。あれは折神、オリカミ。あれを折ったものは選ばれしものだ。」
「あれは、マゼランもアクアも折ってたぞ。」
「知っている。そして最後の1枚で紙ヒコーキを折ったのはお前だ。アオ。
紙ヒコーキは偶然お前が折った。
この世界に偶然はない。すべて必然だ。
そしてその必然に気づいたものだけが、この全宇宙の数ある星で生き残れる生命体だ。
アルファ星の伝承者になれるかのテストだ。
あれはアクアの10年後の転移先の星。
アースだ。さあー行けアオ!」
「えっ?なんで僕が。僕6才だよー!」
僕のカラダはクルクル回り。気づけはアクアと同じ学校の教室の中に。
「えっーーーー!」
僕は先生と一緒に教壇に立っていた。
「おーいアクア。授業が始まってるよ。
早く教室入んないとまずいよ。」友達がアクアを呼ぶ。
アクアは耳にイアフォンをしたままで教室に入る。
僕はなんだかアクアが悪い生徒に見えた。
どうしたアクア?
アクアは相変わらず音楽を聴きながら席に座ってるだけだ。
先生がアクアに注意する。「アクア、音楽を聞くのはやめなさい。」
アクアは聞こえないふり。
隣の先生は怒っていたが
「よーし。先に紹介するぞ。転校生のアオ君だ。みんな仲良くするように。」
「はーい。」クラスがざわめく。
「わあーイケメン。」
気づくと僕も16才。カラダも背もおおきくなっていた。
顔はまだ自分で見れてない。
先生が「アオ君。席は窓側の一番後ろの空いているあの席だ。」
「はい。」僕は言われるがまま。
みんなの席の間を通って席に向かう。
途中アクアの顔を見たが目を合わせないアクアは僕に気づかない。
近くで見るときれいな女子だと分かった。
先生が「アクア、授業を聞かないのなら教室を出て行きなさい。」
「はーい。」アクアは教室を出た。
ガルが宙をプカプカ浮きながら
「だーめだ。アクアは重症だな。」ふわふわふわーと浮いている。
「ガル。そんな姿、見られたらどうするんだ。」
「アオ、心配するな。他の奴には、
この全知太陽ガル様の神々しい姿は見えない。
さてと、俺様はこの星のお偉いさんの太陽に招待されている。
全知太陽ガル様のためのパーティーを開くそうだ。出席してくるからあとはヨロシク。
もし何か危険があれば折神、オリカミで紙ヒコーキを折って俺様に飛ばせ。じゃあ。」
ガルはパッと消えた。調子のいい奴だ。
僕はアクアの気持ちを考える。たぶん。
僕はアクアが悪い子の振りをしているだけに見えた。
アクアは何かを訴えて、反抗しているようだ。「アクア。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます