ジッピィ
佐藤 眞佐
プロローグ
1960年代末期、国産大型スポーツバイク界に「ナナハン」という存在が誕生した。
この存在はあっという間に渦を巻き、70年代に入るとさらに大きな熱気を帯びて、日本のバイクメーカー各社はこぞって世界最速という称号を求め、日進月歩、ブラッシュアップを積み重ね、それはナナハン戦国時代を巻き起こし、その戦いはさらに排気量を引き上げ、かの有名な「Z」が誕生し、その後もあまたの名車迷車が生まれては消えていった。
時代が進み、追求するものは違えど、益々加熱していくバイクを取り巻くこの時勢はある種、今となっては狂信的な活気があったと思う。
そんな尖りすぎた市井界隈とは裏腹、だれもが楽しく乗れる、小柄でレジャーなファッションバイク、というジャンルも小さからず確かに存在していた。
どんなものにも矢面に立つジャンルの影には、ニッチなジャンルもあるものだ。
いずれにしても、そんな時代から歳月は流れ2000年初頭、当時高校生の俺は、そんな昔話は露知らず、ただひたすらに広がる空と田畑を仰ぎ、我が愛すべき故郷の刺激の無さに、日々悶々と過ごしていた。
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