事の発端は深夜三時。なんとなく眠れなかったので

某オレンジ色のサイトを観ていたことからはじまる。

広告のスキップボタンの出現を待っていたら

割合、可愛い女の子がオ○ニーしている動画が流れた。

こういうのって、あんまりピンとこない人のが多いけど

素人に見えたし、ちょっとしたアイドルくらいなら

なれそうなきれいな子だった。

このとき、ぼんやり画面を眺めていた俺は

高校生くらいに見えるモデルを見て

色々な意味で大丈夫か？と思っただけだった。

のんきなもんだよな。

タイムトラベルができるなら、このときの自分をぶん殴ってやりたい。

でも数秒見ているうちに、その動画がおかしいことに気が付いた。

明らかに無理矢理やらされているのが伝わってくるのだ。

違法物であることは間違いない。

性的なものよりも、可哀想に思う気持ちの方が千倍は強かったが

もう一方の気持ちの方もどうしても捨て去ることができず

10秒経っても、この広告動画を見ることをやめられなかった。

女の子が一瞬、カメラ目線になった加減で

目が合ったような気持ちになった。

恐怖に怯えた顔をくしゃくしゃにして泣き出しそうに救いを求める瞳。

次の瞬間、突然背後に立っていた大男が何か刀状のものを持ち上げ

（ここではじめて背後に男が立っていたことに気がついた）

それを振り下ろすと、女の子の首はズバンっと斬り落とされた。

ろくに血飛沫すら上げずに

少量の赤い液体がぱっと舞っただけだった。

俺はトイレに走り、胃の中が空っぽになるまで吐き続けた。

こんなこと、現代日本であり得るのか？！

それとも質の悪いウイルスかフェイク動画なのか？！

不快感で、心臓を吐き出す勢いで、ゲエゲエとえずき

口をゆすいでから、再び画面を確認してみると

あろうことか、さっきの映像はLIVE映像だったのだ。

つまり、あの子と目が合ったと思ったとき

正真正銘、あの子はまだ生きていたのだ。

「ちくしょう！！！！」

最悪の気分で布団に入り、

その後もずっとそのことを考えていた。

無理矢理目を閉じたが、もちろん眠ることはできなかった。

しかし、本当の悪夢は夜が明けてから。

一連の物事が、徐々に姿を現してからだったのである。