第8話 人のふんどしで相撲を取って大金星あげる

 お客さまに東儀秀樹さんのコンサートチケットを頂戴しました。

 大ファンなのに、よんどころない事情で行けないことが確定てしまったそうで。

 せめてお代をと何度も申しましたが、あげる、と仰せに。

 顔とお名前と雅楽のお方ね、レベルしか存じ上げない私が、大ファンの代わりになんぞ恐縮です。


 実際コンサート行って聴いてみると、良いもんですね〜、大変感動しました。


 幕間にショップへ急ぎます。

 かなり高額チケットですから下さった方へのお土産に、パンフレットと、東儀さんがお書きになった絵本二巻を、もみくちゃにされながら買いました。


 ふと人混みの後ろから、私の名前を呼ばう男性の声が。

 振り向くと、高校のクラスメイトKが居ました。

 単なるクラスメイトで全く親しい間柄でなかったものの、卒業ぶりの偶然の再会に興奮し、お互い驚き喜び合いますが、後半開演間近で時間がなく。

 コンサート終わったら、とにかくダッシュで会場内のどこそこにやって来るよう言われ、よく分からないまま了承して互いの席に戻りました。


 終演し、言われたとおり急いで行くと。

 あれよあれよとKに連れられ、舞台裏のいろんな狭い通路を奥へ奥へとすり抜け、なんと楽屋の中へ。


 東儀家とは昔から交流があって親しくしているとのこと。

 Kのお祖母様がお花の先生で、東儀さんのお母さんさんも秀樹氏本人も小さな頃からKのお家に通っていたことなどを道中教えてもらいながら。

 

 Kのあだ名を呼びかけて久しぶりだね元気〜? なんて親しげに微笑む東儀さんに、Kが私を紹介してくれてました。

 握手と購入してた物品にサインまで頂きました。


 サインの宛名も丁寧にたずねてくださり、失礼にならぬよう本には職場名を。

 パンフレットには「今日ここに来れなかった大ファンへお土産にしたいので◯◯さんお客様名へでお願いします!」と書いてもらいました。(もちろん貰ったチケットで私が来たことは口にせず)


 そのあと夜ご飯にKが招待してくれて、Kのお姉様夫婦やらご親戚に紛れて、高級中華料理をちゃっかりご馳走になりました。


 後日Kとお姉様、両方にお礼の品を贈ると。

 二人とも約束するでもなく、同梱名刺を見てそれぞれがぶらり、私の職場に遊びに来てくれました。


 またチケットを下さったお客様には、ゲットした全てのお土産をお渡しすると。

「むしろ行けなくて良かったのかもしれない。家宝にする! ありがとうございます!」

と、ガチめに感極まって泣き崩れんばかりに感謝をいただいちゃいました。


 ちょうだいしたチケットで、幾重にも夢のような出来事を体験できた私は、とても幸せ者です。

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