ある夢の国の話
広大で入り組んだ巨大迷路のような世界を
毎夜眠りにつくたびあてもなく飛び回り
知らない記憶をいくつも渡り彷徨って
ついに辿り着いた
小さなしあわせの国
僕の一番見たかった夢
穏やかにハグをして
優しい言葉をいくつも交わして
見つめ合い手を繋ぎ
そっと笑い合うなんて
薄っぺらい愛の歌に何度も出てきたような
そんないかにもな定型的幸せで
泣いちゃうほど満たされて僕らばかみたい?
でも間違いなく此処こそが
僕の知ってる一番あたたかな場所
そう思った
できるならずっといたいけれど
それが叶わないことはわかっていて
とても脆くて儚い場所だから
すぐに壊れてしまうこともよく知っていて
ほら、あちらで立ったほんの微かな物音で
大きくひび割れて空から砕けてく
寂しいけれどもう行かないと
また会えるかな
うん、きっとね
たくさん写真を撮ったのに
あんなに素敵に撮れたのに
やっぱり一枚も持っては帰れないようだけど
目が覚めたならすぐに文字にして
忘れないよう書きとどめておくからね
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