売れる喜び、買う楽しみ

智月 千恵実

コーディネートの魔法

まもなくメルカリ歴10年になります。


もともとは「お小遣い稼ぎ」という生活の中の小さな存在でした。それが、いつしか「趣味」になりました。休日は出品する物の写真を時間をかけて撮ったり、説明文を考えたり、食事も後回しにするほど、のめり込みました。

また、それで売れてお金が入ってくると、ますます楽しさが増していきました。

そしてついに、ウインドーショッピングに繰り出すことになります。


ある日、恐る恐る「購入手続きへ」の赤い欄をクリックして買ったのが、仕事で使うものです。

スーツの下に着る、袖口が波形になっている、小洒落た襟のない白のブラウス。

そこで味を占めた私は、今度は黒パンプスをたった1000円で買いました。これも仕事用です。


欲しいときに欲しいものが現れるので、

その都度買い物をしました。


サマンサタバサのトートバッグ、いい香りのイグニスのボディソープ、いつも使っているアルビオンのシフォンファンデーション、コムサデモードの黒いパンツ、youtubeのブルーバック用の布、梱包するときに貼る「many thanks」と書かれたチョコレートみたいなシール、洗濯石けんウタマローー。


いつのまにか、私のライフスタイルの頂点にはメルカリがありました。


そんな私が注目しているのが、

アクシーズファムです。

「ヨーロピアンヴィンテージの世界観」というコンセプトのブランドです。


FASHION PRESSでは、

「レースやギャザー、フリル、刺繍といった、クラシカルでエレガントな要素をデイリーに落とし込んだ、ドリーミーなデザイン」

のように紹介されています。


そして、私が一目惚れして最初に買ったアイテムは、この紹介文をそのまま絵にしたようにエレガントでありながらクラシカルな雰囲気を醸し出した一着でした。

パステルブルーの薄手のチュニックの正面は編み上げの白いリボン飾りがあり、裾とベルスリーブ風の七分袖にはリボンと同じ白のフリルの装飾が施されていました。


私には、

「見た目も着心地も抜群なのに、シンプルすぎておしゃれとはいえない服」

というのがたくさんあります。


さらに、

「そのシンプルすぎる服に合わせたいジャケットやトップスも、それ自体おしゃれではあるが、重ね着すると、何か物足りない感じがする」

という服もたくさん持っています。


そんな悩みを解決するアイテムとして、

見つけたのが「アクシーズファム」です。

ちょっと可愛すぎるくらいのものを重ね着に使うと、とんでもなくおしゃれに見えます。


そうは言っても、年を重ねていくと、可愛すぎる服を敬遠する人も多いと聞きます。

でも、あえてそれを使うことで、ワンランク上のおしゃれを楽しむことができるのになどと、そんなことを考えながら、いつものように寝る前のほっとする時間にメルカリを見るともなく見ていました。


職場で聞く「おしゃれですね」の言葉に、今日も鼻高な気分になったのを思い出しながら。

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