第3話 権力者

 彼女はこの世界に転生した理由を理解した。正解なのかは分からないが、何となくそんな宿命を持っている気がした。


「そうか、私はこの世界の最悪な終焉を変えるためにこの世界に転生したのかもしれない。何故なら私は、から!!しかもそれに加えて私は、この漫画の影響でのことにも詳しくなってしまった!!」


 彼女は自身で放った言葉をもう一度理解した。


 「え?これってもしかして無双できるんじゃね?!この世界は菌が擬人化してる世界だし!」


 そんな中、彼女は疑問を浮かべる。

 

「やっぱり『パーフリンジェンス』って菌の名前?学名?だからさすがに自分がのかな?いや、それすら怪しいな。Rulersでも自分が菌の能力を持っている!だなんて発言していたシーンはなかったし」


 彼女は、この世界の人物が自身のことを理解しているか考えたことが無かった。


 「この世界では私たちは『普通の人間』と捉えていいのかな?うん。多分それでいい」



 すると町を一生懸命掃除している人たちの姿が写る。


(あっ!あれは常に町を清掃している菌、いや、人間だ。『乳酸菌たち』だ!いや、乳酸人?まあいいや。でも『ラクトバチルス家』しかいないなぁ。あれ?ラクチスは?)


 すると優雅に椅子に座っている貴族が見える。


(ここにいたか!どこにいるかと思ったら自分だけ優雅に椅子に座って!働けー!)


「こら。ブルガリクス!止まってるわよ。」

「は、はい」

「あっ!こら!プランタラムとアシドフィルス!掃除をサボって二人でゲームしないの!バレバレよ!」

「す、すみませーん!」

「こら!カゼイ!自分に酔いしれない!」

「すみませーん!」


「全く!もっと働いて綺麗にしないとラクトバチルス家の名前が廃るわよ。でも、サーモフィルスはいいのよ~♡」


 この様子にフラバスが心の中でツッコミを入れる。

(おい!自分のお気に入りの子だけ優しくするな!!)


「あなたたちはに生まれてきたようなものなのですわよ。それが出来なくてどうするのかしら?」

「ごもっともですぅー!!」

「全く!あなたたちの生きる理由は何ですの?はい。そこから言ってってくださいまし」


「働くことです!!」

「町を掃除することです!」

「金を貰うことです」

「町に落ちてるお金を拾うことです」

「ヨーグルトを食べることです」

「ヨーグルトの無限増殖をすることです」

「ミルクって美味しいよね」


「はいはい。散った散った!掃除しなさい!掃除!」

「うわー!!!」


(何やこの茶番!社畜製造組織か!!

 ってかラクチスさん?君あまり指図出来るくらい相当偉い身分では無いからね!ラクトバチルス家も相当な貴族だけども!!君も手伝ってあげてください!!)

 彼女は何故か感慨深い気持ちに切り替わった。


 (……でもこうして見ると漫画のストーリーでは見られないシーンも見れるし、すごく楽しい……!オタクには至高だ!)


 彼女はスキップをしながらその場を後にした。



 ◇◇◇

 そして何を考えたのか、フラバスはあることを思い付いた。


 「そういえば確か、この辺に悪のがあるはず!一回行ってみたかったんだよね!」

 フラバスは何の戸惑いも無く組織に向かった。


 その組織があるのは森の中。その奥に怪しげな洞窟がある。


 「ここだ!やっぱり全く同じだ!本物だ!!悪の組織!!!……うーん、中はストーリーの構成と全く同じなのかな?」


 興味心で洞窟に足を踏み入れた瞬間、息ができなくなった!


 「うっ、ぐっ、苦しい……!」


 彼女は身の危険を感じ、すぐさま洞窟から離れる。


 「そういえばあいつらはわ。だから洞窟の中は真空状態なのね。ってかどうやって空気ある所との境目を付けているんだろう?」


 フラバスは悪の組織の人達の生態について思い出す。


 「たしか、地上に出るときは空気に触れない薄い障壁――【芽胞】を形成して体に纏って空気を遮断してるんだったなぁ。……ん?そういえば芽胞ってがあるんだった。姑息こそくな真似をするものね〜。しかも、この組織の存在は、たしか漫画の中盤辺りで明らかになってたな……。」


 序盤で明らかになっていないので、この組織を住民に伝えるか迷っている。


 「うーん、町の人たちに伝えるか、迷うな。でも下手に伝えたら漫画のストーリー通りにならないね…。どうしようかな。……いや、いっそストーリー変えちゃう〜!?」


 何処から声がしたのか、フラバスは咄嗟に木陰に隠れる。


(!!!)


「よし!任務完了!」「やっと終わった。」

「早くご飯食べたいなぁ。」

 任務を終えた組織の人たちが組織の中に入っていく。まるで闇に吸い込まれていくみたいだ。


(任務を終えたということは、何かしら危害を与えたということか?)


 フラバスは不安になるが、現状何も起きてないので一先ひとまず安堵の息を漏らした。






 ◇◇◇

 そして日が暮れてフラバスは家に帰る。玄関前にはオリゼが出迎えた。

「おかえりさない。フラバス……って、どうしたんですか。その格好!」



「え?」


 なんとフラバスのドレスは土まみれだった。きっとあの人混みと組織散策が原因だろう。


「ご、ごめん。ちょっと転んじゃって」

「早く洗いましょう」

「う、うん」

 フラバスは脱衣場に向かう。



 (悪の組織を見に行ったなんて、絶対に言えない!!でもやっぱり組織のことはちょっと気になるな……。足を踏み入れることは出来ないし……。どうしような……)



 時間が経ち夜になる。彼女は自分の部屋に入る。


 (オリゼと毎日一緒しかも喋れて幸せー!というかこのベッドふかふかすぎ!)


 ベッドを堪能した後、フラバスはテレビを付けた。その瞬間、衝撃な事実が耳と目を襲った。


「次のニュースです。現在、世界で謎の病気が流行しています。謎の疲労感を訴え、最終的に身体の筋肉が衰弱し呼吸困難に陥って亡くなるケースが多発しています。主な原因はいまだに分かっておりません。人から人への感染性は無いとのとこですが致死率がかなり高いみたいです。普段から衛生に気を付けるなどして身の安全、環境に気をつけてください」



 (うわー……ヤバい病気が流行っているな、かからないように衛生に気を付けないとね……)


 彼女は感染症を危惧すると共に部屋の電気を消して眠りについた。




 ◇◇◇

 この空間は青白い光と人工的な音声が反射した。――それは、『平和を覆す目論見もくろみ』を意味した。


 その光と音声の正体はテレビだった。



「繰り返し報道します。現在、謎の病気が流行しております。常に衛生に気を付けて過ごすようお願い致します。」


 その音声を聞いた瞬間、光も音も消えた。



「……はあ、思ったよりも早く報道されてしまいましたね。どうしますか?」

「ん?ああ、先ほどのニュースのことか。まあ大丈夫だろう。気楽に行こうか」

「はぁ……楽観的すぎますよ……。いつもの心配性は何処へ行ったのですか?」

「はは……。そんなもの何処かに置いてきたのかもな」


 その会話は、平和を愛する者たちの会話では無かった。



「この報道一つで、私たちの運命が変わるわけではあるまい。少しずつ進められればいいさ」

「そうですよね。私たちの本気はまだ始まってませんもんね」

「そうだ。よく分かってるな」


 二人の会話は、冷たい薄暗い空間を跳ね返して響いた。


「…では、そろそろ本格的に始めようか。人間の絶望する姿を目に焼き付けるんだ」


 彼は地面に魔法陣を形成した。美しい黄金色を部屋の壁などあらゆる面に反射させ、空間は一時的に黄金色へと変貌させた。

 そして、彼の魔法により、球体の物体を出現させた。


計画エクソゼウスの始まりだ」


 彼は球体の魔法をてのひらで握りつぶした。




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 こんにちは。琥珀こはく まなです。


 実は私、三日坊主なんです。笑

 なので三日間投稿できてる自分を少し誇りに思っています。笑


 これからの話も是非、期待しててください!特に、後のバトルシーンには注目してほしいです!❤️


 しかも読みながら「医療」、「微生物」の勉強にもなっちゃいます!(誤りがあったら教えてくださいね。)これを機に、一緒に覚えませんか?


 この話が「面白い!」「気になる」」と思ってくださったら、お手数おかけしますが、アドバイス、☆、感想をよろしくお願いします。


 小説のフォロー、ブックマーク、応援してくださった読者の方には感謝しかありません😭✨


 毎日投稿がんばりますので、これからも琥珀こはく まなをよろしくお願いします。


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