第4話 お泊まり?

 「今日は俊広の家で泊まる!」

 「なんで?マイマイ。親とケンカでもした?」

 「違う」

 実はマイマイが俺の部屋に泊まりに来るのは珍しい事ではない。

 「デンデン。お願〰︎い」

 まぁ、泊まりに来ても俺が作った料理を全部たいらげ、俺の布団で爆睡する有様だ。今は1人暮らしだし。

 「しょうがない。良いよ。マイマイ」

 「マーイ!」

 「じゃ、帰ろうか」

 「そうね」

 2人で約20分程の道のりを歩いて行く。

 「あっ。雨だっ!」

 元気なマイマイだ。雨が降ったとたん、傘を差すのを忘れてかたつむり探しを始める。

 「俊広!2匹のかたつむりがいる」

 見ると葉っぱの上にかたつむりがいた。

 「きっとつがいよ。俊広。結婚記念日に角砂糖を1つプレゼントして」

 俺は角砂糖を取り出してマイマイに渡した。

 「チェックポイーント!」

 マイマイはつがいの前に角砂糖を置く。

 「デンデン。私はとても良い行いをした気分だわ」

 「マイマイ。つがいのかたつむりはとっても幸せだと思うよ」

 角砂糖も残り少なくなって来た。まぁ、家にたくさんストックしてあるからいいけど。お金は減る。しかしマイマイが喜ぶので恒例になっている。

 「マーイ。俊広の家、楽しみー」

 何も特別な物は置いていない。何処にでもある様なテレビやキッチン。必要最低限な物ばかりだ。そのシンプルさが受けたのか、すっかりお気に入りな様になっている。

 「あっ!デンデンの家だ」

 

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