【くろかが!】『くろりんぼ、作り立て!!ミスター食戟のクッキングくろりーはとんでも化学(ばけがく)で放浪飯を作ることにした一番!~かがくのちからってスゲー!~』
第5実験題目:複合化学反応の制御による究極の一品
第5実験題目:複合化学反応の制御による究極の一品
『くろかが!』第五話(最終話)「理系集会の集大成!化学反応の祭典セフィ!」
「ついに理系集会で料理実験発表会を開催するセフィ!緊張するけど...これまでの研究の集大成!」
くろりーは、VR空間に特別に設置された最新鋭の実験キッチンの前で、白衣のポケットから実験ノートを取り出した。巨大スクリーンには化学式や反応図が映し出され、100名を超える参加者のアバターが集まっていた。
シンポジウム概要:
テーマ:「日常の化学反応 - 台所で起こる化学の不思議」
主催:くろりー研究室(通称:くろラボ)
共催:VR理系集会実行委員会
参加者:研究者、料理人、科学愛好家など100名以上
「皆様、本日は『化学反応としての料理』シンポジウムにご参加いただき、ありがとうございますセフィ!」
会場のあちこちから、可愛らしい絵文字や拍手のエフェクトが飛び交う。
「まず、これまでの研究経緯を振り返りたいと思いますセフィ!」
くろりーは巨大スクリーンに実験データを映し出す。
・電子レンジと誘電加熱の戦い
- 失敗例:パックご飯爆発事件
- 成功への道:水分子の双極子モーメントと振動エネルギーの関係性
- 教訓:「失敗は新発見の母数である」
・マイヤー反応との格闘
- 失敗例:炭化ステーキ実験
- 成功への道:温度管理の重要性と化学反応の制御
- 教訓:「温度計なき実験は闇である」
・二重反応制御への挑戦
- 失敗例:真っ黒照り焼きチキン事件
- 成功への道:複数の化学反応の同時制御方法
- 教訓:「反応は待ってくれない」
・発酵という時間との戦い
- 失敗例:過発酵パン事件
- 成功への道:微生物の活性制御と環境管理
- 教訓:「時間も重要な反応試薬である」
会場からは次々とコメントが。
『失敗の科学、素晴らしい!』
『化学の視点で料理を見直せました』
『くろりー先生の実験ノート、出版希望!』
「そして本日は、これまでの研究の集大成として、新しい実験を披露させていただきますセフィ!」
くろりーは最新鋭の実験キッチンに向かう。
周りには各種センサーと測定機器が配置されている。
本日の実験:複合化学反応の制御による究極の一品
実験内容:和風ハンバーグステーキの創成
使用機器:
- IoT対応温度管理システム
- リアルタイムpH測定器
- 水分活性測定器
- タンパク質変性観察カメラ
「まず、ハンバーグ生地の作成から始めますセフィ!」
慎重に材料を計量しながら解説。
「挽肉のタンパク質と玉ねぎの酵素が反応して...あっ!」
玉ねぎを切る際に涙が。
「これはプロペンチオキシドによる催涙作用セフィ!実験の副反応ですね!」
会場から笑いが起こる。
続いて成形に移る。
「空気を抜きながら成形することで、タンパク質の網目構造を最適化...」
焼成過程では、会場のスクリーンにリアルタイムの温度グラフが表示される。
「表面温度140度でメイラード反応開始!内部温度は63度をキープ!」
ソースの制作では、新しい発見も。
「醤油の塩分がタンパク質の変性を促進する触媒として作用しているセフィ!」
ついに完成。会場からは大きな拍手が沸き起こる。
「理系集会特製・分子ガストロノミーハンバーグの完成セフィ!」
VR空間ながら、その香りと見た目に参加者全員が魅了された。
・実験成果発表:
1. 複合的な化学反応の完全制御に成功
2. 新しい調理理論の確立
3. VR空間における料理実験の可能性を実証
シンポジウム終了後、くろりーは思わぬ提案を受ける。
「大学で『料理化学』の講座を開設しませんか?」
「料理と科学の融合、素晴らしいですね!」
後日、くろりーは自宅キッチンで一人呟いた。
「セクシーサイエンス集会は不滅ですセフィ!そして...」
白衣のポケットから新しい実験ノートを取り出す。
「次は分子ガストロノミーの研究室を作るセフィ!」
エピローグ:
くろりーの「料理は化学だ!」という考えは、科学界と料理界に革命を起こした。彼女の研究は「台所の化学」という新しい学問分野を確立し、VR理系集会は世界中の研究者が集まる一大プラットフォームとなった。
そして今も、彼女は白衣姿で実験...いや、料理に励んでいる。
「今日のメロンパンも、また新しい化学反応を教えてくれるはずセフィ!」
完
【くろかが!】『くろりんぼ、作り立て!!ミスター食戟のクッキングくろりーはとんでも化学(ばけがく)で放浪飯を作ることにした一番!~かがくのちからってスゲー!~』 だみんちゃん @daminchan
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