志士首都決戦
斯波なおみ
平和の終わり
第1話 平和の終わり
この国には、四十七人の勇者が暮らしている。中でも東京家という一族が圧倒的な力を持ち、長年にわたり国を支配してきた。
しかし先日のことである。春風が爽やかな昼下がり、新たに東京家勇者の座を継いだ青年が、三十歳の若さにしてこの世を去ったという。青年の父である先代は昨年病死しており、今や東京家には青年の母が一人残っているのみである。還暦を控えるこの女性は東京家の血を引いておらず、青年の死は東京家の滅亡を意味した。このニュースは数時間で全国に広まり、空位を狙ってこれまで虐げられてきた勇者たちが一斉に立ち上がった。今、乱世が幕を開けたのである。
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