兄上からお兄ちゃんへ
祟道明神のご助言を受け先輩方に修業をして貰う事になった、朝になれば兄上の魂を撫でる日課は欠かさない、四神獣達は兄上の魂を守る役と、私がやるはずだった勤めの案件を代わりにやって貰っている
それから十三年先輩方が付きっきりで修業を付けてくれたおかげで今回の案件ならばどうにか出来るだろうとお墨付きを頂いた、だけど私は今凄く欲求不満である、修業の為に兄上の話を聞く事無く兄上を助けたい一心でやってきたので修業終了と同時に兄上を求めて爆発!先輩方が知り得る兄上の情報を聴き漁った、兄上は漫画家志望ライトオタクで幼少期の約束を引きずって漫画家を目指すが鳴かず飛ばず寝ることを惜しんでやり込み過ぎて体調を壊したが進路を漫画家一本にすると言い出したところで結婚の約束をした涼香が体調を崩すほどの職業なら成らなくても良い普通に就職して稼いで私といる時間を作って欲しいっと言ったのに、普通に就職して漫画家に成れば良いと意固地になり何とか大学へ行ったところらしい
、ここまで意地になるのは元々本人が意固地だった部分もあるが、叡兄上との同化が関係している可能性があるらしい、叡兄上は結局春香との約束を達成出来なかったことを引きずっていた中で春香の転生者である涼香と約束したものだから無意識にやり遂げようとしてしまったのかもしれないらしい
兄上が体調を崩した時、私は直ぐに兄上の元へ行けなかった!私なら兄上を立派な漫画家に出来るのに!!そう先輩方に訴えると、だから教えなかったと言われた、実力が無いのに成ったとしても、直ぐにぼろが出て駄目になり再び助けないといけなくなるから根本的に人として成長出来ないため兄上にとっても良くないっとのこと、うーー兄上の傍に行きたい!兄上の心を癒したい
「それならお兄さんに好かれる妹に成らないとね」
「先輩どういうことですか?」
「こちらにお兄さん愛読本(漫画)があります、ここには兄の事をお兄ちゃんと呼んでいるのよ、兄上は古い言い方」
「なっ!呼び方ですか!?」
「そう、お兄さんから見れば眷属見習いだから『命様』と呼ばれたら命はどう思う?」
「そんなの私の兄上じゃないです!」
「そう感じるのと一緒さ、一つ壁を感じるだろ?呼称は大事だよ」
私の中で激震が走る
「先輩、その本をお借りしても宜しいですか?」
「いいよーお兄さんの好みを知っておく事も大事だしね、はい」
「有難う御座います、これでお兄ちゃんを癒やせる、ふふふっ」
「私はそんな本に出てくる妹より、命自身を表に出した方が良いと思うな」
「私自身ですか?」
「命は元から可愛いしお兄さんは前世で本当の命を妹として受け入れたんだし、本は参考程度が良いよ」
「はっ!成る程、分かりました!私自身を受け入れて貰えるよう頑張ります!」
「命はお兄さんの事になると盲目的になるから気を付けようね」
「はっ、はい……」
お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん……うん、呼称はこれで大丈夫、そして本を読んだけど
「先輩、ここに出てくる妹は少しワガママじゃないですか?」
「だから参考程度が良いって言ったでしょ、読み物として良くても実際にされると嫌な人いるから程々にね」
「分かりました、ところで妹から体をベタベタ触り過ぎじゃないですか?こんな破廉恥な」
「そういうのが男の人は好きなんじゃない?多分」
「しかし、兄である登場人物は少し邪な目で妹の痴態を見てますよ?」
「確固たる好きな人がいるお兄さんならそんな事しないでしょ?」
「当たり前です!!私のお兄ちゃんはこんな事しません!!」
「お兄さんに変な幻想を押しつけちゃ駄目だよ」
「先輩から言い出した事じゃないですか!」
ちょうど、お兄ちゃんを待っているのが辛くて記憶を封印してきたお陰で心は若いままで良かった、私は再びお兄ちゃんの妹に成れる、あともう少し
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