第35話


「じゅるっ」


「じゅるじゅるっ・・・」


「たらーり・・・あ、いけねっ!?」


想定はしてたけど・・・皆の涎がとどまる事を知らない件ぇ!笑。


———え、でもまだ無理だからね。

待って貰うしか手立てが無いんだよ!!


「あ〜んっ、もう我慢出来な〜〜いっ」


「アデルママ!でも我慢だよ!!」


ビシッと注意するよ。

身悶えるママを宥め透かし、励ましながら鰻を焼いていくよ。

・・・ちょっとエロいな?なんて、オモッテナインダカラネ!!


「こんなの、拷問だ〜〜っっ」


人聞き悪いなぁ。

皆の分の七輪も網も醤油も用意したの私ですよ?


・・・はぁぁ〜〜、、、でも本当この匂いマジ最高だよねぇ〜〜恍惚ぅ。


最初に切り出してしっかり焼きした頭を醤油にドボンと漬け込んで、身を焼いてる時に出る油も醤油に仕込んでるから塗る時にはまあまあ良い塩梅になってたんじゃ無いかなぁ?


この醤油をジリジリと焼いている串うちした鰻さん全体に継ぎ足し継ぎ足しで纏わせて、じっくり育てるのでーす。


塗る度に匂いの暴力が酷いけど、ここでは未だ我慢なのだよ・・・皆はもう限界っぽいけども。


・・・私は寧ろ料理勢を囲む様にして立つ、匂いに惹かれてきた奴らの方が怖いよ・・・頂きますの時、争奪戦とかにならなきゃ良いけど。


「あら〜、人の物を奪るなんてダメよぉ〜。欲しい人は川で追加で捕って来て参加すれば良いじゃな〜い」


「っ!」


あ、周囲に居た皆が一斉に捌けましたね。


・・・ふぅ〜、変な緊張感からのかいほ〜う。ヘぁ〜。


ママからはチャーミングなウィンクが飛んできたし、クロエ姉からは


「流石にミリア達から奪うやつなんてのは居なかったって!」


って笑われちゃったよ。

いやまあ、言うて手を出すとしても自分とこの家族からだろうなとは思ってましたけど、やっぱり争いの気配には身構えちゃいますって。

アガラもありがとうね。

さり気に周りから守る様にくっついてくれてて凄い安心したよ。


「うん。ミリアは俺が守るもんっ」


うん、はい、可愛いっ!


「ありがとうねぇ」


と言っていつもの頭ヨシヨシで和んだよ。



その後も塗っては裏返しを繰り返しじっくり根気良く待った後はお待ちかねの実食タイム!

・・・ああ、追加組は未だ帰って来てないから今のうちに食べちゃいましょうね。


「それでは皆さん」


「「「頂きまーーーすっっっ!!!」」」


皆のがっつく音が一斉にこだまする。


さて私もがぶりと1口。


「ん〜〜〜っっっ!!!プリップリぃーーー!」


やっぱり捕れたての鰻の食感は冷凍の奴とは一線を画しますなぁ・・・。


「うまーーーーーーいっっ!!」


「ヤバーーーーーーイ!」


と至る所から声が上がる。うん、さもありなんだよ。


「ちょっと位旦那に分けてあげようかなって思ってたけど、これは無理だったね!」


「アデル、ナイス!!」


うんうん、ママは本当にいい仕事したよね。

ファインプレーってやつだったよ。


一言叫んだ後は黙々と完食まで皆無言で食べた。

うん、美味しかった〜〜。


私は1匹で満足だったんだけど。

皆はそうでは無いようで。


「足りないっ!!」


「追加で捕って来なくっちゃ!!」


と川へお急ぎになられましたね。


・・・アガラも?

行って来て良いよー。


鰻の焼き方知らない勢が多分もうすぐ帰って来ると思うから私はここで待機だよ。




・・・エンドレス過ぎたんで、私達はもう帰りまーす。

川に走った分お腹が空く、とか言われたらもう終わりが見えないからね。


今日も良き1日でしたーー。

それでは皆さんご機嫌よ〜う!



あれ、何でアガラ手に未だ鰻2匹持ってんの?

うん?

調理具一色別で欲しいって??

まあ良いけど。

はい、どーぞ。






「カーーーッ!!!美味いわいっ!」


「ハフハフハフ・・・」


ゲーム催促の賄賂に入手したおじいちゃんが居た事はまあ・・・神のみぞ知る?


出来た物を頼まなかったのは作る過程も楽しみたかったからである。





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