第2話

引き続き説明は無し・・・。ぐすんっ


ゲームバグにしては何の対処もされない現状にステータス画面のログアウトボタンも当然無い状態・・・一部暗くなっているステータスとは違いソレ自体が消えてる時点でコレ何て小説よ、と思っちゃった私は悪くないと思います。


召喚がどうのこうの言ってた人が居るって事はもしかしたら私がココに現れる前に何かの説明がもう既に終わっている可能性が高かった――・・・詰んでね、私。


遠い目になる私はなるべく大人しくしていよう、と独り決意を固めていると突然ざわわ、と周囲が騒ぎ出して顔を上げる。


おぉう、ちょっとした変化でも嬉しいですよ。

何ですか何ですか?

私背が小さいんで人の波で全然見えないんですけど何かしらの変化は起こったらしい。


と言うか、何か周りの人達の目がですねぇ・・・何か蕩けてない?

何ナノ、超気になる。

ざわわ感が徐々に近づいてきて


「ふわああぁっ・・・」


何かすんごいアラブ系の顔の彫りの深い黒髪の美丈夫が人の波を割りながらコチラへゆっくりと歩み寄って来るのが見えて思わず変な声が出たのは仕方の無い事だと思います、はい。


「こんにちは、レディ」


「こ、こんにちは!」


そして話しかけられてる私がいるよ!


周りの嫉妬じみた顔が怖いのですが?

何でNPCなんかにって声が至る所で湧き上がっていてですねぇ・・・ひええぇっ。


「君には大変申し訳無いのだが・・・」


と言う美丈夫さんの言うことには。

何でもこの大規模召喚は各国の協力者達への報奨として行われたんだそう。

所謂勇者召喚ってやつ。ってことはここは紛れもなく異世界って事らしいね、ははははは。


この世界、定期的にスタンピートって言う魔物の暴走が頻発するから今までは各国が力を合わせて撃退しましょうねっていう協定が結ばれてた。

で、この美丈夫さん達の国は砂漠の中にあって資源が少ない代わりに戦闘能力ずば抜けた民族で各国の呼びかけには常に参加。

報酬に食料やら資材を貰って何とかやってきていたらしいんだけど頻発する収集に報奨が国の負担となっていた・・・のは表向きの理由で美丈夫さんの国、男女共に美形だらけらしくって嫉妬が8割以上らしいのは後でコソッと教えてくれた・・・美人さんは大変だねぇ〜。


ソコで一石を投じようとした結果が勇者召喚!って言っても奴隷とかじゃなくて強い人を召喚して待遇良くするからうちの国で働きませんか?っていう勧誘らしい。


・・・勧誘って言っても断っても帰れんらしいけど・・・誘拐かな?


まあ、強制ではないよって話で実際帰りたい勢は迷惑料ちょろっと貰って出て行っても良いらしいです。


独自に帰り方は調べてねって言うスタンスらしい。

・・・無責任か。


そう言う諸々の説明が終わった後に私が落ちてきたらしい・・・オフラインからだったからその弊害って事ですかね?この時間差。


そして只今プレイヤー達の争奪戦中らしかった。

実はもう良い人から順に声掛けられてて抜かれていっているらしいよ。


・・・一番に声掛けられた人がどんな人だったのかちょい気になるよね。


その点で言うと私って明らか戦えないし、周りから巻き込まれな噂を立てられてるから勇者でも無いじゃんね。

実際戦えないしね、ハハッ。


最期まで売れ残りそうなもんなのにどうして声を掛けてくれたかって言うと、


「いつも同じ報奨だったから事前に細かく取り決めてなかったのが災いして意図せぬ報酬になってしまってねぇ・・・私達が戦えるから正直勇者様は必要無い。かと言って用意された報奨を貰わないのもまた問題になる。我が国は正直貧乏なんだよ・・・己の命を懸けてでしか資源を集められないのに勇者様を迎え入れられる余裕なんて無いし、本当に困っていた所に君だ」


「?」


「はっはっは、正直過ぎるって?まあ取り繕ってもどうしようも無いしな。周辺国からは”蛮族”扱いされてて以前から報奨も年々少なくされててどうしようかという話にはなっていたんだ。で今回とうとう私達が協力しなくなっても困らない様な思索が垣間見える対策で且つ嫌がらせに私達も参ってしまってね」


砂漠国に引きこもって鎖国状態にするらしい。

それで大丈夫なのかって言われたら未知なんだけど、国って舐められたら終わりだからって言われたらまあ納得するしか無いね。


「まだこの先どうしていくかは全く見通しが立っていないのだが取り敢えず此処では問題を残さず立ち去りたいのだ」


絶対1人は連れて帰らないと後々問題にされても困るという事で白羽の矢が立ったのが私らしい。


単純に一番食べなさそうなのが私で且つ各国の報奨にも使えず困った人材って所が良かったって。


・・・これ、褒められてんのか?

で、戦えないのは問題にならないし自分たちにとってとても都合の良い人材が私だったとのこと。

・・・本当に明け透けだよなー。


「是非一緒に来て頂きたい」


「よろしくお願いします」


即答ですよ、即答。

この国に残ってもいらない子扱い確定だもん。

それならどんな理由であれちょっとでも望まれてる所に行くのは当たり前じゃんね。


「わあっ!」


ひょいっと子供抱っこされた私は思わず目の前の首にしがみつく。


抱っこって意外と高くて怖いんだね・・・ソレ以上に周りの女性の視線がブスブスと刺してくるのがまた怖い。


私、見た目子供。


しかもNPCな設定じゃ無いですか〜〜。


大目に見て下さいよぉ〜〜、本当に。

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