05 血塗られた女騎士は幸せになることを選ばない



 私の手は血塗られている

 だから幸せになるべきじゃない


 たくさんの人を殺してきた

 だから幸せを感じないようにしなければならない


 どれだけ長い時間がかかっても

 全ての罪を 清算し終わるまでは


 たくさんの人が笑いかけてくれても

 私は笑顔をつくらない


 たくさんの親切を受け取っても

 私はそれを心では受け入れない


 たくさんの物を贈られたとしても

 私はそれを自分の物にはしない


 それらを得られるはずだった者達がいて

 得られずに死んでしまった者達がいるからだ


 もしかした罪を清算できずにこの世を去るかもしれない

 もしかすると罪を清算しきる事なんてできずに亡くなるかもしれない


 それでも 私は幸せになる事を選ばない


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