第27話 時系列
『時系列』とは、わかりやすく言うと物語の中の出来事を時間の流れに沿って表すものです。多分。私はそう理解しています。間違っていたらごめんなさい。
通常、物語は時系列順に進んでいく(いきなり未来に飛んだり、過去に戻ったりしない)ように構成しますが、演出のためにシーンを前後させることがあります。クライマックスの直前やそのさわりを冒頭に持ってきて読者さんの興味を引く、というような使い方が多いでしょうか。ミステリーなどでミスリードを狙って使うこともあるかもしれません。
実のところ、物語の中心になるシーンをちょっとだけ冒頭で見せるというこの手法は、いわゆる「ウェブ小説」ではかなり有効な手段なのではないだろうか、と思うのです。
従来の作品(冒頭から時系列順に話が始まる)では、たいてい何らかの事件が起きるまで舞台設定やキャラ説明がしばらく続く傾向にあります。そういった説明もなくいきなり本筋に入られても、読者さんは世界観がわからず混乱するでしょう。それを避けるためには、ある程度の説明が必要だと私は考えます。
ここからは私の勝手な解釈なのですが、ウェブ小説の読者さんは冒頭をちょっと試しに読んでみて面白そうかどうかを判断するという人が多いように思うのです。一〇〇〇から一五〇〇字の第一話だけ読んで決める、という感じで。
膨大な作品が溢れている中で面白そうなものを見つけるためには仕方がない行動だと思いますし、それを否定するつもりはありません。
私も似たようなことをしていますし。
で、そういった「冒頭をちょっとだけつまんで、続きを読むかどうか決める」タイプの読者さんの目にとまるには、時系列順にのんびり話を展開していてはダメなのでは? と。
物語が一番盛り上がるところを冒頭にチラ見せして読者さんを引き込まないと、最後まで読んでいただけないのではと。
そんなことを思ったのは、音楽業界を見ていて思うところがあったからなんですよ。
最近はイントロが短い、あるいはイントロがない曲が増えていますし、サビから始まる曲も少なくありません。
今日日のリスナーには未知の曲を全部じっくり聴くヒマがないらしく、曲を十数秒だけ聴いて良し悪しを判断するんだそうです。
なので、冒頭にイントロを入れたりせず、サビから始まる構成の曲が作られるんだとか。
時代の流れと言えばそうなのでしょうし、とにかく聴いてもらわなきゃ話にならんということはわかるんですが……なんとなく寂しい気がしなくもない今日この頃。
とりあえず今の若い子に『メタリカ』を聴いてもらって、どういう反応になるかを見てみたいです。(何の話だ
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