第15話 語彙

 先述の通り、執筆中は「まずは最後まで書ききる」ことに意識を割いているのでさして気にならないのですが、熟成期間を経て加筆修正に入ると、似たような言葉や表現を多用していることに気がつきます。

 『~のような』を連発したり、『笑う』『見る』『言う』がやたら多かったり。

 それは多分、私の語彙力が低いからなのだろうと自己分析しています。

 そんな状況を打破するために類語辞典を用意してみたりするのですが、どうにも思っているニュアンスの熟語が見つからなくて、どうしたものかと頭を悩ませます。


 特に『笑う』シーンのバリエーションをなんとか増やせないかと思います。


『笑う』『笑む』『微笑む』『苦笑する』『苦笑い』『引きつり笑い』『口角を上げる』『口の端を吊り上げる』『相好を緩める』『目じりを下げる』『大笑い』『嘲笑する』『嘲笑う』『空笑い』『乾いた笑い』


 よく使うのはこの辺りですが、嬉しそうにしている人物だと『笑う』『笑む』の二通りしかなく単調になりがちで。

 上手い表現方法はないものか……。



 語彙を増やすには多くの文章に触れるしかないと、私は思っています。それも小説だけではなく、新聞や雑誌、個人SNS、エッセイ、古典、論文……は言い過ぎでしょうか。ともかく、いろんなジャンルのいろんな著者の文章を読んで吸収していくしかないのかな、と。



 ……ええ。そう思うんですけど、できてないんだよなぁ……。

 コンビニとかスーパーに『お徳用語彙パック』なんてものを売ってないかなと常に思っています。



 余談ですが、最近知って気に入った表現が『顔に紅葉もみじを散らす』です。

 恥ずかしがったり照れたりして顔を赤くしているさまを表すのですが、『赤面した』という表現に比して文学的で美しい言い回しだと思ってます。

 ただまあ、私の文章にこれを使うと表現のレベルが違いすぎて浮くんですよね……。

 身の丈に合った言葉を使いなさいという天の啓示なのかもしれません。

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