第24話

卒業式は泣かなかった






「いちご絶対泣くと思った」



「何でよ~」



淋しそうに笑った花梨におどけて見せた




ハルを避けるようになってから、私は人の前で泣かなくなった




泣いちゃダメだと思った




涙が我慢出来ない時はあの高台に登った、登りきった時は息が苦しくて胸が苦しくて

登ったからなのか、心がなのか分からなくしてくれた






遠くで友達やら後輩やらに囲まれて胴上げされるハルを見て





おめでとう







ありがとう


ごめんなさい






そして





頑張って





そう心の中で呟いた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る