第4話

私の名前はいちご



しかも平仮名…



皆は可愛いとかおいしそうとか他人事で言ってくれるけど、私は意味のある漢字の名前が欲しかった



昔、母親にそう言ったら



‘あんたが生まれた頃は苺って漢字は使えなかったの’あっさりとそう言われた



ぼんやりと空を見てた



「たまにはこっちも向いてくれませんかね」



そう言ってちゅっと唇を舐められた



「なっ!…」



「甘い…」


「びっくりするでしょ!」


「ごめんね。いちごがこっち見てくれないから」



そう言ってそっと握られた手にまた胸がドキドキする



こうやってハルに触られるのは2年付き合っても未だに緊張する…

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