第24話 やはり狩りは楽しい


 翌朝食事を済ませた後、王都の外に向かった所、両ギルドマスターはもう来ていた。

「おはようございます。遅くなってすいません。」

「イヤこちらが早く来てしまっただけだ。気にしないで下さい。」と話している内みんなが集まってくれた。

 では皆さん揃ったようなので出発しましょう。とプリンに元の姿になって貰い、皆さんがプリンの背中に乗り込むと出発の合図を送った。

 プリンはいつもの様にゆっくりと飛び立ちまず東の領地目指して飛んだ。

 まず上空から領地全域の確認を行った後、降り立ち地上から領地の確認を行った。

勿論屋敷の確認は奥方様方が念入りに行っていた。

 その後北の領地も同じように、上空からと地上からそれに屋敷の確認も滞りなく済ませ、王都に戻って来た。


 プリンに乗っている間、奥様方はとても屋敷が気に入った様子で話していたが、両公爵と子息の話し合いは済んでいたようで、王都に着いた時お父様に北の領地はデナス公爵が、南の領地はグラント公爵が守ると返事を頂いた事で各領地の領主が決まった。

 その後両ギルマスは、各新領地のギルドの規模とギルドマスター他職員の人選に入る事をお父様に告げていた。

 お父様の執務室に行き、私はデナス公爵とグラント公爵両夫妻で商業ギルドのギルマスの元、両領土の建物の譲渡契約証にそれぞれサインを済ませ契約が成立した。



 その後、ククル侯爵とラチェット侯爵の後継者並びに後見人と面会を行った。

 その時クレイ、ショコラ、プリンに同席して貰い、今後ドララド村とラード村の領主として彼等がふさわしいか見て貰った。

「侯爵家の後継者としての問題は無かろう。が後見人は多少欲が強そうだが、そこまであくどい事が出来る人間ではなさそうじゃ。だが今後のため領地を没収し爵位降格で済ませた方が良いかも知れんな。」

 とショコラが分析していたので、みんなも同じ意見?

「「「そんな所だ」」」


「僕もショコラの意見に賛成だ。ゆくゆく大きな町にするつもりならなおさらここで、人選を誤ったら、今の領土と同じようになってしまうからね。」

「クレイ、みんなありがとう。」

 とクレイもプリン達も同意見みたいなのでそれをお父様に告げた。

「分った。皆さんには感謝する。」

 と言われた。その後皆さんは執務室を後にした。


「所でお父様、領地開拓の準備金はどなたにお願いすれば宜しいでしょうか?」

「そうだな、後々開拓準備金の回収を考えるなら、ギルドに預け支払いを一任するのが最適だろうな。回収もギルドからを考えているんだろう?」


「はい、あの両公爵様ならば約束を違える事は考えられませんが、回収期間が長くなると何が起こるか分かりませんので中立の立場のギルドが良いのでは、と考えています。」

「余もそう考える。両公爵にもそう伝え、了解は取っておいた。それに領土替えの準備や国政を行う事で、とても領地開拓まで手は回らないそうだ。」


「ありがとうございます。早速ギルドに行きギルマスに伝えておきます。その後狩りに行って参ります。」

「分った、気を付けていくのだぞ。皆さんのリズの事頼みました。」

「「我らに任せておけ」」

「お任せ下さい。」

「では、行って来ます。」



 冒険者ギルドのギルマスの部屋を訪ねたら、商業ギルドのギルマスも一緒に居たので、先程のお礼と、両公爵の新領地開拓まで手が回らない理由と言葉を伝えた。

 その後お父様と話した内容を伝え、新領地開拓の資金をそれぞれのギルマスに預けていいか聞いてみた。


「開拓資金が有れば預かっておきたい。それを使って開拓する為の人材の確保と資材の購入、他必要な人材育成を行いたい。」

「分りました。これで当分の資金は賄えますか、足りなければ言ってください。」

 と麻袋二枚一杯に詰まった魔石、宝石と金貨一万枚ずつをそれぞれのギルマスに渡した。


「当面これだけあれば十分だ。それより人材が確保出来ても、それだけの人員をどうやって移動させるか、居住はどうするか等の問題はあるがまずはギルマスと副ギルマスの人選をしようと話し合っていた所だった。」

「お話し中に割り込んで、もう申し訳ありませんでした。」

「大丈夫だ、昨日リズから話を聞いた時から、だいたいは決めていたからな。」

「そうそう、今は擦り合わせをしていた所だから、心配はいらない。」



「ギルマスをどなたにするか、決まっているか教えて頂いても宜しいでしょうか?」

「ああ、リズもみんなも知っていると思うが、ドララド村とラード村の両ギルドのギルマスをそれぞれの領主が収める新領地にと考えている。勝手知たる何とやらでな、その方が運営はやりやすいだろう。」


「ではドララド村とラード村の両ギルドのギルマスはどうするんですか?」

「両ギルド共、副ギルマスをギルマスに昇格させる。」

「副ギルマスはどうするんですか?」

「彼等が一番信用できる奴を推薦するだろう。」

「そうなんですね。」

「そうやってギルドは運営されて行く。信用出来ない奴に皆の背中は預けられないだろう。」

「そうですね。」


「ギルマスが決まったら、建物の見取り図や建物の設計図の作成、人材と資材の確保と教育だな。」

「人材や資材の運搬はプリンにお願いしていい?」

「構わん」

「では人材や資材の運搬は毎朝プリンにお願いします。でも午後からは狩りに行きたいので、午前中だけになります。それでいいですか?」

「ああ、それで十分助かる。」


「では、毎日寄りますので、運搬を始める時は知らせて下さい。それと現領主の私邸が空いているので、両ギルマスは居住区が出来るまで、暫くそちらを使って下さい。町を作る方々の住居はそれぞれ個別にテントを準備します。暫くそちらで我慢して頂きます。」

「テントと言うが百や二百じゃ済まないぞ。大丈夫か?」

「大丈夫です。」

「なら任せる。宜しく頼む。」



「分りました。ではお話し中に申し訳ございませんでした。みんな楽しみにしていたので、今から先日のお肉を頂き、狩りに行って参ります。」

「ああ、気を付けて行っておいで。帰りに寄って貰いたい。」

「分りました。行って来ます。」とギルマスの部屋を出ると、解体場に行きお肉を受け取り、冒険者と合流し狩りに出かけた。


          ◇ ~ ◇ ~ ◇ 


 久々の狩り、ショコラとプリンに何処に行きたいか聞いたら「死の森」と言われたので、「死の森」で狩りをすることにした。クレイとリュウガとラスパルの皆さんは苦笑いしていた。

「じゃプリン時間が無いので連れて行ってもらえる。」

「大丈夫じゃ、早く背中に乗れ、行くぞ。」


 皆が乗るとゆっくり飛び立ち「死の森」の入口に降り立った。

 ショコラがさあ行くぞ。といつものように先頭を進んで行った。

 暫く行くと洞窟の前でオークの群れと遭遇ショコラ達と冒険者達でどんどん倒していく流石だ、百頭ほどの群れが全て倒れオークキングだけになっていた。これを冒険者達が倒した。オークを回収していると洞窟の中からオークジェネラルが現れた。これをショコラがサクット倒した。全て回収させて頂きました。ここでも魔石や宝石等が集められていたので、ショコラに言われて回収した。


 そのまま出くわした魔物を倒しながら進んで行くと小川があり、その先にオーガの群れ、その先にグリフォンの群れが見えていた。またもショコラがクレイ、マシュマロとポッキー行くぞと飛び出していったその後を冒険者達が飛び出して行き、今ショコラがオーガキングを倒し、続いて現れたオーガエンペラーを冒険者が倒そうとしていたが、倒せずショコラが飛び出し倒した。オーガ達もテントに回収し此処でもかなりの数のお宝が見つかりテントの中に回収した。


 その後グリフォンの群れに向かって進んでいると何故か私の肩に止まっていたはずのプリンがグリフォンの群れに突入しどんどん倒して行った。グリフォンの回収を行うとプリンが私とクレイを咥え、グリフォンの巣に運んでくれた、此処にはお宝以外にゴールドサーペントの遺体も在り私もクレイも初めて見てビックリした。が全て回収させて頂きました。


 この巣に運ばれる時、その先の山の頂上付近にワイバーンの群れが飛んでいたが、お宝回収を夢中でしている時プリンとショコラがいつの間にか居なくなっていた事に気づき探すと、ワイバーンの群れを倒してしまっていた。王都ではかなりストレスが溜まっていたようだ。

 その後ワイバーンの回収を行い、やはりワイバーンの巣にも沢山のお宝が貯まっていた。しっかり回収させて頂きました。此処にはワイバーンのたまごが三個あったのでこれも一緒に回収した。


 その後冒険者と合流したが、冒険者達もかなりも魔物を倒していたので、これも回収させて頂きました。

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