第16話 お詫び
「所で、ギルマスさん先程ラード村で税金が上がる前の金額で魔物の買い取りをお願いしたら、儲かるのは商売人だけで村民には還元が無いと言われ、その理由を聞き、納得して買い取り金額を頂いて来たのですが、今買い取りに出した魔物肉ですが買い取り無しにして、貴族や商売人には売らずに、食べる物に困った国民に配布する事は出来ませんか?作業が煩雑になり、人手も沢山必要になり、費用も嵩むと思います。 その金額は全て私の私財で出します。 無理でしょうか?」
「どうしてそこまでされるのですか? これは国で行う事だと思いますが。」
「そうかもしれません。只国王が病床にあった時、伯父の政務で税金が上がり、生活出来なくなった国民の多くがこの国を離れ、他国へ流出したため食料品や魔物肉、魔物素材等が届かなくなり、王都では貴族の買い占めなどでもっと価格が高騰していると聞きました。逃げ出せる人は良いですが、いろんな事情で逃げ出せず、物が手に入らない人はどうなるのでしょうか?幸い私には、これ程強い仲間が居てくれます。」
「それはそうでしょうが、大変な事に成りますよ。」
「理解しているつもりです。それに今、国王が対策しても効果がでるまでには時間が掛かります。それまで何とか繋げられれば、国民の餓死と言う最悪な状況は回避できるんじゃないかと思っているんですが? どうでしょうか?」
「分りました。それでは数点の取決めが必要です。まず配布対象者を絞る事。人手と費用のクリア。暴動が起こる可能性があるからこの警備要員をどうするかと言う所でしょうか。」
「では配布するのは、一般の庶民のみ、一日一人一塊一個限り、これは老人、大人、子ども、王都内、外の方も関係なく庶民なら誰でも。 但し商売人、貴族勿論王族その関係者は配布対象外、違反が分かった場合は処罰対象とし、今の金額の十倍の価格の支払いを求める。 お金を持っている方には買って頂く。但し一日一回の買い物で五個まで。でどうでしょう。 こうすれば無理な買い占めは出来ないと思うのですが。配布終了日まで、配布場所は冒険者ギルドのみで行い、ギルドに来ることが出来ない病等の方には私がお渡しに向かいます。」
「分りました。」
「人手はギルドを通して集めて頂くとして。警備はショコラとプリンにクレイにマシュマロとポッキーお願いして大丈夫。」
「「構わんよ」」
「大丈夫だよ。」
「ギルマスさんそれよりお肉足りますか。」
「アレだけ有れば大丈夫だ。」
「ギルマスさん、同じ条件でラード村に連絡お願いできないでしょうか? 先程受け取ったお金と、煩雑に掛かる費用は明日お返しとお渡しに伺います。と伝えて頂けないでしょうか?今伝えた警備に関しては王都のみとなってしまいますが、大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だろう。 ただそうなるとリズの立場を明かさねばならないが?」
「ギルマスさん達だけに留めて頂けませんか? それと、今から向かうドララド村にも同じ条件で伝えて頂けますか?」
「大丈夫だ。伝えておこう」
「ありがとうございます。では煩雑に掛かる費用はこれ位で足りますか?」
と魔石と宝石を麻袋一杯出した
「これでは多すぎる。」と言われたので
「落ち着いたら、でいいので、薬師の方で手に負えない病気の方が居たら教えて欲しい。 残りの分でその調査をお願いします。」
「引き受けた。」
「お手数をおかけしますが、宜しくお願い致します。お肉が足りない時は言ってくださいまだまだ余裕があるので、ではまた明日参ります。今からドララド村を訪ねたいので失礼します。」
お礼を言いギルマスの部屋を後にした。
◇ ~ ◇ ~ ◇
そのまま王都を後にして、いつものようにプリンの背中に乗せてもらいドララド村を訪ねた。ギルマスから連絡が先に入っていたようで、リュウガのメンバーが出迎えてくれた。
お互い挨拶を交わした後、私に関わったために王都に居られなくなった事のお詫びをした。
「本当にごめんなさい。」
「「「「命を助けて貰ったんだ、こんな事何でもない」」」」と彼等は笑ってくれた。その後王都を出た後仲間になったクレイ、ショコラ、プリンの紹介をした所リュウガ達はカチンコチンに固まってしまった。」
その後クレイが話し掛けようやく普通に戻った。
その後冒険者ギルドのギルマスを訪ね、
お互い挨拶を交わした。
王都のギルマスから届いた案件を了承頂けるか確認をした所、願ってもない話です。と言って貰えたので、王都と一緒で煩雑に掛かる費用を魔石と宝石を麻袋で半分 位出した。
「煩雑に掛かる費用はこれで足りますか?魔物肉が足りない様でしたら王都のギルマスに連絡をお願いします。みんなで翌日お届けに参ります。」
「費用はかなり余ると思います。魔物肉については了解しました。」
「落ち着いたら、でいいですので、薬師の方で手に負えない様な病気の方の調査費用に充ててください。これも王都のギルマスに連絡をお願いします。」
「了解しました。」
「では解体場に伺ってもいいでしょうか?」
「此方です。」
「ありがとうございます。」
早速魔物を出した。ラード村で出した位。
「この量で足りますか?足りなければまだ出せますが。」
「十分です。」
「ではお手数をおかけしますが宜しくお願い致します。」
ギルドを出ようとした所で、もう一度ギルマスの部屋へ案内された。
そしてリュウガ達から今宿屋に居る五人の冒険者達と、ドララド村のそばの洞窟で暮らすオーガ達の話を聞いた。
「そうでしたか、ではまずその冒険者五人と会わせて下さい。」
「「「こっちだ。」」」
「ありがとうございます。」
まず二人部屋に案内され、部屋に入るとベッドに臥せっていた一人が此方を向いた。目が合った途端大きく目が見開かれ、感泣し始め、こちらに向かって手を伸ばして来た。
「生きていてくれた。ありがとう。ありがとう。すまなかった。すまなかった。」
と詫び始めると、奥のベッドからも感涙の声が上がった。そして隣の部屋からも聞こえて来た。最初に目が合った方に近づき伸ばした手を両手で包み込み、彼の目を見ながら、
「私を覚えているんですか?」
「忘れる事なんか出来ない。出来るはずがない。俺がずっと、ずっと貴方を抱いていたんだ。すまなかった。すまなかった。すまなかった。・・・。」と泣き続けていた。
私は両手で包み込んだ彼の手を癒した。すると彼の身体から毒が消え、顔色が戻り始めやがて立ち上がれるようになった。同じように他の四人も癒し、みんな立ち上がれる様になった所で冒険者達にテントに入って貰った。この時ギルマスとリュウガ達にも入って体力や魔力を回復してもらい、オーガ達の今後の事を話し合った。
話合いをしながら、初めてこのテントに入った五人の冒険者とギルマスは、身体がこんなに軽くなるなんてと驚き感激していたが、口外無用を約束して頂いた。
この時プリンが、我が元居た洞窟はどうだ?と提案
私は、「死の森」の管理を頼んだらどうだろうと提案した。
どちらも冒険者に出会う確率は少ないから討伐される恐れは少なくなるかな?と思うけど。
クレイどう思う?
「ショコラとプリンが居るから、彼等に聞いてみたらどうだろう。」
「あ・そうだね。ショコラ、プリン彼等に聞いて貰える。」
「「了解した、」」
「では、今からオーガにどうしたいか聞きに行きましょうか?」
テントを直し込み村の外に出て、オーガが居る洞窟に来ていた。
オーガ達はショコラとプリンを見て怯えて洞窟の奥に下がって行った。たが、みんなが気にしてない事を確認すると、安心したのか表に出て来た。
オーガ達は暫くショコラとプリンと見つめ合っていたが、まずショコラが口を開いた。
「このオーガ達は「死の森」から逃げだして来た所でこの冒険者達に遭遇したそうだ。」
今度はプリンが口を開いた
「我が居た洞窟を見て見たいそうだ、それか川か滝の近くが良いそうだ。なので、明日王都の用事が済んだら連れて行こうと思うがどうだ?」
「「「了解、賛成」」」
「明日かもし無理な時は明後日迎えに来ます。」
プリン伝えて貰っていい。
「分かった。」
「大丈夫だそうだ。」
「リュウガの皆さん王都の件ではご迷惑をおかけしました。もうすぐ解決すると思います。王都に一緒に戻られませんか? まだ詳しくお伝え出来ませんが、私も昨日から王都に行けるようになりました。」
「戻って大丈夫なら戻りたい。」
「分りました。本日一緒に戻りますか?」
「ああ、そうさせてくれ。」
「それと冒険者の皆さんも王都に戻られませんか?」
「我々も戻っていいのか?」
「もう十分罰は受けて頂きました。これ以上は必要ないと思います。」
「戻れるものなら、戻りたい。」
「分りました。では本日一緒に王都に戻りましょう。」
「ギルマスさん突然来て色々申し訳ございません。冒険者の皆さんが大変お世話になりました。」
「いえ、こんな時に聞いていいものか迷ったのですが、先程王都のギルマスから、国王の病が快癒した。と聞いたのですが本当ですか?」
「本当です。先程冒険者を快癒した事と同じ事をしました。」
「これからもっと住みやすい国に代わるでしょう。今からまだ少し色々あるかもしれません。彼等の安全を保障するために、彼等を保護させて頂きます。」
「そのために連れて行くのですね。」
「ハイ。お手数をおかけしますが、王国のギルマスに経緯の報告お願いいたします。
また、オーガ達の迎えに後日改めてお伺いさせて頂きます。」
「分りました、ギルマスには報告しておきます。」
「よろしくお願いいたします。これから宿屋に向かいお礼を済ませてから、王都に向かいます。お世話になりました。」
と挨拶を済ませたあとギルマスとは別れた。
その後宿屋に向かい、今までの支払いとお礼を済ませ、みんなでプリンの背中に乗って王都をめざした。
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