なんにも考えずに読み始めてしまうと、その文章力の高さに、まず、驚かされ、
「おー、文芸じゃ、純文学じゃ」
と、じっくり味わいながら楽しんでしまうわけです
ところが、ですよ
途中で、唖然、呆然、
「なにこれ、めっちゃエンタメじゃん」
と、なります
そこで、わたくしのような迂闊な者は、ようやく、紹介文を確かめに行き……
『タイムリープ』
『微クトゥルフ要素』
『ハーレム??』
付けられたタグに、
「あ〜」
と、うなずくことに
エンタメの骨組みに、文学の肉付けをした、とてつもない小説であります
ひとりひとりの登場人物が、必死にもがき、苦しみ、「生きている」
なんで、この激情を描いた大作が、こんなに、静かにたたずんでいるの?
もっと推されるべきだと思うのです
ぜひ手にとってご覧になってください
***
読了後の満足度は、高い
ので、ここで終わらせるのもありなのですが、この作品、スピンオフがありましてね…
このスピンオフがまた、どこに連れて行かれちゃうんだろうという、ゾワゾワするシリーズで
できうれば、スピンオフまで、読んでいただきたいなぁ
と、おまけの紹介です(・▽・)
この物語には、搾取や共生、生と性、伝統と現代化、善悪、弱さ、葛藤など、様々なテーマが織り込まれ、ただの因習村ものではない、ただのハーレムものでもない、多層的な世界が広がっています。
ここで『なんだか難しそう……』と思って読まずにいるのは、あまりに勿体ない。
私はこの物語を、洋楽や絵画のように楽しんでいました。……限界集落の物語なのに洋楽、とは、おかしな話なのですが。
ストーリーを追っていると、ハッと目を見張るようなカッコいい表現が現れて、繰り返し味わいたくなる。
次第に輪郭が掴めて、だんだん理解できてくる。
各キャラクターの気持ちに寄り添いたくなる。見守りたくなる。
展開も加速していき、もう抜け出せなくなっている自分に気付く。
そうして読んでいるうちに、〝読む〟こと自体が心地よくなってくる。
そんな体験、してみてください。
人を選ぶ物語かもしれない、だからこそ、選ばれたあなたは幸運です。
読みごたえのある本格的な文芸に腰を据えて対峙したい人に薦めたい。
読み飛ばせない。文章の一つ一つが作品に不可欠である。一話目から引き込まれた。
私たちは心の奥底に封じ込めたエゴや後悔や欲望や諦念をもっている。それらは黒く澱んでいる。作者は私たちの肩に静かに手を添えて、抑圧してきたその澱みに向き合わせる。
妻を亡くした三十代の結人が主人公である。彼は妙齢の少女たちとその母親たちとかかわりながら、「お神乳」の因習が続く限界集落に生きる。
性と生に真正面から向き合い、結人は苦悩する。そして行動する。支配・搾取・隷従の構図が物語の根底をどろどろと這う。特に「善意はエゴの隣人」という表現には唸った。
結人は内省し、目を背けてきた自分のエゴや欲望や本音と対峙し、殻を破る。
都合よく話が進むライト文芸に一石を投ずる意欲作である。
ハーレム、ギャルゲー、異世界転生に作者は石を投げ、一つずつ壊していく。これらの物語の前提にある「現実世界の常識」を疑い、それにも石を投げる。
難解な表現や、密な文章に最初は面くらいましたよ。ただ、いつの間にか最後まで読んでいました。
この小説の魅力は複雑すぎて、私の拙い知識と文章能力では表現出来ないことが悔しいです。
実際、レビューをこの形にするのも悩みました。ただのレビューなのに難産だったんです。
私はカクヨムのランキング作品が食傷気味になってきて、何となく掘り出し物を探したらこの作品を発見しました。そんな作品に、自分の不安定な心を暴かれるとは露知らず、軽い気持ちで読み始めました。
今まで、自分自身の行動指針や、精神の芯の部分をプラスに変えてくれた小説はたった4作品だけです。その5作品目が、この星が2桁も無い小説だったんです。
私が、このレビューを見るかもしれない方に伝えたいのは、数字に囚われないで見て欲しいということです。この小説は、確かにあなたに有意義な時間と自己を見つめ直す機会をくれるはずです。
この愛すべき、ラノベと文学の狭間の小説を、怖がらないで読んで頂ければ幸いです。
是非一読を。