第3章 2話 渉とのデート
梓は、渉と会うことにした。
渉からは、食事に行こうと言われた…
駅に18時に来てと言われ…
駅前に行くと…渉が待っていた。
病院にいた時とは違って…渉はオシャレだった。
「ごめん…待った?」
「いや、どうしても会いたかったから…早く来ちゃった」
と、屈託のない笑顔で…答える渉…
梓は、微笑みかえした。
「梓さん、行きましょう」
そこは、オシャレなレストランだった。
いい感じの音楽がかかり…
質のいい接客…
「渉くん、こんな高そうなところ…大丈夫?なんか緊張するよ」
「大丈夫…今日は、奢らせて…」
「いえいえ…大学生に奢らせるわけにはいかないよ…」
「じゃ、今度奢ってくれたらいいから…ねっ」
渉は、裕福な家庭で育っている。
いわゆる…おぼっちゃまな感じだった。
両親は県外にいて…小さな会社を経営しているそうだ。
1人暮らしをしていて、仕送りで暮らしている。
バイトもしているけど…
困っているからではなく…
体験のためらしい。
渉は、食事のマナーにも慣れていた。
梓の方が、慣れてなくて戸惑った。
そんな梓を見て…
渉はクスッと笑いながら…
「梓さん、可愛い…」
なんか、笑いものにされているようで…
梓は、ムッとした顔をした。
「梓さん、ごめん…怒らないで…」
「怒ってないよ…」
というと…ホッとしたような顔をした。
渉…可愛いな…
今まで、年下になったこと無かったし…
なんか、新鮮…
食事を終えて…
外に出ると…
「梓さん、少し歩きましょう」
そう言って…
渉は歩き始めた。
「俺ね…病院で働いている梓さんをずっと見てました。梓さんは、本当にいい人で綺麗で…可愛い人です」
「なんか褒め過ぎだよ…何も出ないよ」
「これは…本当の気持ちなんですよ…好きです。俺と付き合って下さい」
「えっ、本当に私でいいの?私、年上だし…」
「年上っていったって2歳違いじゃないですか…そんなの関係ないです。俺は、梓さんが好きなんです」
梓は、胸の高鳴りを抑えることができなかった。
また、泣かされるかもしれない…
黙って、考えていると…
「答えは、今日じゃなくても構いません。まずは、俺を知って下さい」
「私…渉くんのこと何も知らないし…渉くんも私のこと何も知らないと思うから…ゆっくりでいいなら…」
そう答えた。
でも、心は…
いますぐにでも抱きつきたいぐらいの気持ちだった。
渉の家は、駅にして2駅くらい…
そんなに離れていない…
その日は、送ってもらいながら…
お互いの話を沢山した。
そして、梓の家の前に着くと…
「梓さん、今日は楽しかったです。来てくれて本当にありがとう」
「私こそ、楽しかった…」
「いつか…部屋に入れて貰えるように頑張ります!」
その言葉が、全然嫌じゃない…
梓は照れながら…
「はい…」と答えた。
「じゃ、また…連絡しますね」
「はい。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
梓は、今までと全く違う渉に戸惑いながらも
惹かれていった…
今までの人生でも、色々な人からアプローチされたけど…
こんなに…ドキドキすることは、元以外にいなかった。
この人は、私を苦しめた渉だよ…
いけないと分かっていても…
心が揺れた…
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