第4話村案内

シスが寝ているベットの横に椅子を置いてショウが座っている。長老は最初こそいたが起きたら教えてと言って部屋を出た


昼頃シスが起きた。ゆっくり体を起こして周りを見渡した。


「こ、ここは…?」


「ここは長老の家の部屋だよ。倒れた後長老がここに連れてきてくれたんだ。後傷も」


シスは自分の体を少し見た


「そうか、長老か…」


「本当にすまなかった!」


ショウが頭を深く下げてベットに座っているシスに謝った。シスは少し驚いた顔をしていた。


「俺は君を馬鹿にしていると思われてもおかしくないことをした。剣での対決で相手に剣を振らないなんて…」


「ちょっとこっち来て」


ベットに座っているシスが少し怖い声で言った。


ショウは叩かれると思って、ゆっくり近づいて、座っているシスの目線までしゃがんで目をつぶって歯を食いしばった


「イテッ!」


ショウはシスにデコピンされた


「いいのよそんなことは。そんなに気にしないでいいわ。それに最後は振ってくれたじゃない」


「シス…」


「今回は私の負けね。いやーくやしー!」


シスはバタバタしながらそんなことを言う


〈称号:勇者キラーを手に入れました〉


へ?


「ショウ?どうしたの?」


「あ、うん、いや…うん大丈夫だよ」


シスがなぜか挙動不審なショウをジト目で見ている


部屋の扉が開いて長老が入ってきた


「元気になったようじゃの」


「い、いえ長老のおかげです」


「シスよ、ショウを案内はできそうか?」


「はい!大丈夫です」


シスはベットからすんなり立って嬉しそうに答えた


「じゃあ2人で行っておいで」


「はい!ほらショウ、速く行くわよ!」


固まっている俺の手を取って元気に部屋を一緒に出た


えっと…称号……ま、まぁいっか!今は村に集中しよ!


思考停止したショウであった。


村長の家から出て少し歩いた。周りの家と長老の家は少し離れているらしい。歩いている間に少し話を聞いた


長老はこの村の村長的な存在らしい。ここはどこか?とかどうやってここへ来たのか?とかどうやったらここから出られるのか?とかは聞いたらいけない気がした


少し歩いたらちょくちょく家が見えてきた。長老の家同様、木造でできている


「まずはフラカンさんのとこに行くわよ」


「フラカンさん?」


「この村唯一の鍛冶師よ。私のこの剣だって作ってくれたのよ」


シスは鞘から剣を出して見せてくれた。


そのかっこいい剣か。ちょっと鑑定してみるか


クラウ・ソラス

人工的に作られた人工聖剣

異称として「神殺しの剣」とも名付けられている異質な力で所有者をも蝕む「魔剣」とも呼ばれている


聖剣?魔剣?これ結構やばい剣じゃないのか?


「その剣は大丈夫なのか?」


「大丈夫って…あーそういうことね。大丈夫よ。私がこの剣を何年使ってると思ってるのよ。そうだ!特別に見せてあげるわ」


剣に手を掲げてなにかしようとした所で手が止まった


「おー、シスじゃねえか!こんなところで何してんだ?」


前の道から赤髪の男が現れた。体格がものすごく良くて肩幅とかも俺より全然ある


「あー!フラカンさん紹介します。昨日この村に来たショウです」


「ど、どうも。ショウです」

 

「おう、そうか!俺はフラカンだ。一様この村唯一の鍛冶師だな。しかし…ここに居るっていうことはお前も…」


少し悲しそうに言い放った


「よし!とりあえず家に来い」


「は、はい」


シスが少しウキウキでフラカンの家に向かった


「ここが…」


見た目は普通の木造の家だった。フラカンは一度こっちを見て家の中へ入った。その次にシスが入った。そして俺も入った。


中には小さい椅子に大きなかまど、大きなハンマーが置いてあって他にも鍛冶に必要そうな道具がたくさん置いてあった。


「どうだ俺の鍛冶場は?」


「すごいですね…。ここでいつも鍛冶をしてらっしゃるんですか?」


「ああ。だけどここに来てからはあんまり武器は打ってねえなぁ」


フラカンは褒められて嬉しいのか少し嬉しそうに話した


「そうだ!お前になんか打ってやろうか!」


う…グイグイくる…体格も大きいから押し倒されそう


「は、はい。また今度にお願いしに行きます」


「フラカンさん。ショウにはまだこの村の案内があるので!」

 

シスが話の間に入ってきて、少し怒った感じで言ってきた


ナイスシス!


「そ、そうか…暇な時にでも来いよ」


俺達はフラカンの家から出て次の家へ行った


少し歩いたらまた木造の家があった。外見はフラカンの家と似たような感じだった


家の近くまで来たら、家の前をほうきで掃除している男がいた。


スラッとした体型にメガネをかけて、フラカンとは真逆の人な感じがした


「おや、シスじゃないか。どうかしたのですか?」


掃除をしている男が俺達に気づいたようで


「トートさん。こんにちは」


シスは大人しく言い放った


「はい、こんにちは。そこの少年は新しい住人かい?」


「はい!トートさん。こいつはつい最近来たショウです」


「は、はじめまして。ショウといいます」


「こちらこそはじめまして。私はトート。この村では薬屋をしています」


優しい口調で言った


「立ち話もあれですし店へお入りなられてわ?」


シスは元気よく頷き、トートがゆっくりこちらに目配せしてきたので、ゆっくりと頷いて中に入った


中はたくさんの商品が並んでいた。ポーションや何かの果物、他にもいろいろあった


「すごいですね。こんなに薬が…これ全部作ってるんですか?」


「薬以外の物もありますけど、一様すべて自分が作っていますよ」


そんな話をしていたら隣にいるシスが少しソワソワしている気がした


「トートさん。あの…」


「いつものね。いつも通り裏に居るよ。行っておいで」


「はい!」


シスが元気に返事をして駆け足で奥の扉へ入っていった


「奥に何かいるんですか?」


「少しペットを飼っていてね」


トート店の端に置いてある椅子にゆっくり座った


「にしてもシスが初見の相手にあんなに心を開くとは」


二人だけの静かな空間に一言言い放った


「そうなんですね。俺も最初に会った時はいきなり斬りつけられました」


トートは少し下を向いた後また話し始めた


「シスは幼い頃にここへ来ました。最初に見たときは、いたるところから血が出ていて、小さい体で剣を持ってこちらを警戒していたんです。そこを長老がなだめました。そこから私が傷を直したり、フラカンが元気に遊んでやったり、他にもいろいろと…」


「トートさん…」


トートは悲しそうに言った


「少し話しすぎてしまいました。つまり私の言いたいことは、シスと仲良くなってくれてありがとうございます」


さっきまで話していたときとは裏腹に少しうれしそうに聞こえた


奥の扉から走ってくる音が聞こえて、勢いよく扉が開いた


「話は終わったか!?」


シスが元気に言った


「あぁ、そうでしたね。村の案内があるんでしたね」


そこから少し話した後家を出てトートが見送りながらまた出発した


「次はどこに行くんだ?」


「次はラウニさんって言って、この村唯一の農家のところへ行くわよ」


「唯一?村の食料を一人でまかなっているってことか?」


「この村に農家は他には居ないからそうわよ」


そんなにすごい人が…少し楽しみだな


少し歩いたら周りが一面畑だらけになっていた


「ここ一面すべて一人で?」


「えぇ」


前にやっていたシミュレーションゲームを思い出す…少し食料がないだけですぐに国民が反乱起こすし、戦争したら相手は核でこっちは大砲だし…


「ついたわよ」


見た目はまたトートやフラカンの家とそっくりだった


シスが扉をノックする


「あれ?いないのかしら?いつもこの時間なら居るのだけど…」


シスが扉に触れたら空いていることを確認して開けた。それと一緒に俺を入った


「ッ!?」


中で少し小太りの男が倒れていた。背中にはナイフが刺さっており、血が大量にゆあに滴っていた。その近くでひっそりと少女が立っていた。フードをかぶっておりあまり顔は見えないが小さい女の子ということだけは分かった


俺が驚いて怯んでいる間にシスが真っすぐ走って行き、斬りつけて行った

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