第3話心の恥

もう夜中の4時か。そうだ!ちょっとネットでいろいろと調べておいたほうがいいな。普通はチュートリアルがあるそうだけど俺の場合ないからな。


◆◆◆


ふむふむ結構理解してきた。

・お金がある

・ギルドというものがある

・スキルは無限にあり、本人の鍛錬や状況で獲得できる

・『職業』というものがなく、装備でステータスが変化する

・クエストをギルドで受けることで金や装備、スキルなどを習得できる場合がある


チュートリアルで教えられるのはざっとこんな感じか…金の単位はザールという。

1ザール1円みたいなのがプレイヤーの中では常識らしい。


ギルドはギルド登録しなければならず、チュートリアルで皆するらしい。


『職業』がないのか。他のMMOゲームならあって当たり前なのがないのか。それにクエスト。称号の有無で出るクエストをあるらしい


俺は今初期装備で、あの村で装備は育てられるのかな…このゲーム装備が結構大事らしいから当面の目標は装備を育てることかな


まず、またログインして夜にこっそり村を探索したほうがいいな。情報が少なすぎる


テーブルにあるVRゴーグルに手を伸ばして装着して、ベットに横たわりログインすのであった


◆◆◆


部屋の古びたベットで起きた。

ベットから降りて外に出ようとしな瞬間


『コンコン』


ん?扉を叩く音か?こんな時間に誰だよ…

外に出られないじゃないか


扉まで歩いて開けたらそこには勇者シスがいた。


「えっと…」


「シスでいいわ。それよりもちょっとこっち来なさい」


話そうとしたがそれよりも早くシスが動いてその後ろに付いて外まで来た。長老の家の横に連れて行かされてここに立てと言われた。


「それで何の御用で?」


するとシスは地面においてあった2つの木刀を持って1つをこっちに投げてきた。


「一勝負いいかしら?」


「な、なぜ…?」


「あんたに剣を抜かないまま倒されて、負けたみたいで腑に落ちないからよ!」


なんだよ腑に落ちないからって…早く暗いうちに村を探索しておきたいのに。


「さぁ、突っ立ってないでやるわよ」


シスが真っ直ぐにこっちに向かって剣を振りかぶってきた。前の剣が光った時よりは劣るが、それでも速い速度で剣を振りかぶってきた。


素でこの速さか。さすがは勇者だな。だけどこれくらいなら簡単に避けられる。


振りかぶってきた剣をさっと横にかわして、横からシスの足をひっかけて転ばせた


「これでいいか?俺は少し用事があるんだ」


「まだだ!」


転んで四つん這いになっている状態に下を向いて力強く言った。


そのままシスはゆっくりと立ち上がりまた斬りつけてきた。


それをまた避けて、斬りつけてきたのをまた避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて、斬りつけて避けて… 

気づいたら太陽が出始めていた。


さすがにこりただろう。日も出てきたし部屋に戻る…


「お前にとっては私はそんなに弱いのか!

お前にもって私はそんなにチンケな存在なのか!お前は…私を…私を!そんなにバカにしたいのか…」


シスはうつ伏せになりながら叫んだ。

その声は大きな声であり、力強い声のはずなのに弱々しく、覇気のない声に聞こえてしまった


…俺は何をやっているんだ。シスはあんなにボロボロになっているのに…俺は何もこの勝負に掛けてない…心も体も。NPCだからって下に見ていた…


「本当にすまなかった。俺はお前に剣すら振らずにお前のことを馬鹿にし、何もこの勝負に賭けてなかった…本当にすまない!これが最後だ。俺のとっておきを見せてやる!」


シスは木刀を使ってゆっくりと立ち上がり、剣をこちらに向けてきた。その姿は弱々しいのに覇気があった。


「行くぞ」


「こい!」


お互いが叫んだ瞬間勝負が終わった。


ショウが一瞬でシスの横に立っていたのだ。

シスの光る剣より速く、瞬きより速く。


シスはゆっくりと後ろに倒れた。それをショウがしっかりと両手でシスの体を支えた。

シスはなぜか笑顔で倒れていった。


シスをお姫様抱っこして家に入れようとすると目の前に長老が立っていた。 


「こっちの部屋で寝かせなさい」


長老は何も聞かずに眠っているシスを一目見てから部屋に案内してベットに寝かした


寝ているシスに長老が手をかざして、小さい声で何かを言った瞬間シスの傷がみるみる治っていった。


「ちょ、長老!今のは…?」


「ホッホッホ。ちょっとしたおまじないじゃよ。それより案内係がいなくなったのう…わしが案内しようか?」


「いえ。シスが起きるまで待ちます。」


静かにショウは寝ているシスを見ながら言うのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る