魔王の血の繋がらない一人息子、"破天荒のグラム"が主人公のこの作品。冒頭からきな臭い雰囲気が漂います。それはグラムが魔王殺しを成し遂げようとする場面でした。父親である魔王は『皆が笑って暮らせる世界を作りたいんだ』という理想を掲げる滅茶苦茶いい人っぽい方です。それを殺害しようとするのだから、グラムの破天荒ぶりが分かるというものです。
しかし魔王を討った直後、忠実な配下たちの怒りを買い、命を落としかけたグラム。間一髪、異世界からの召喚によって命を拾い、新たな地での物語が始まります。召喚主は、もち姫ことシャルロット。紆余曲折の末に彼女と契約を結ぶことになりますが、彼女の願いは皮肉にも、グラムが殺した魔王と同じ——「世界に平和をもたらしたい」というものでした。
行動をともにするうちに、グラムがどのように変わっていくのかが大きな見どころの作品です。お付きの爺やであるセバスと行動をともにするのですが、このセバス自身もかなりの実力者。彼はシャルロットを深く慕っており、当初はグラムと激しく対立します。壮絶な戦闘がいきなり始まってしまい、思わず息を呑みました。
やがて、旅を通じて芽生える絆と、変わっていくグラムの心。破天荒な主人公が、自ら選んだ道を歩み直していく成長譚でもあるこの物語。壮絶なバトルと仲間との関係性を軸に、目が離せない展開が待ち受けています。
※このおすすめレビューは第2章まで拝読した時点での感想となります。
大国に国家の存亡を脅かされる、小国の幼き女王シャルロット。魔王を手に掛けた、魔界の大罪人グラム。
弱気なシャルロットと、粗暴なグラム。
信念も生き様も異なる両者が出会った時、物語は大きく動き出す──
特徴を挙げるならやはり戦闘描写。その力の入れ具合たるや尋常ではなく、往年の怪獣映画やアメコミヒーロー映画でも見ているかのような気分にさせてくれる。
そして異種族たるシャルロットとの出会いを切欠に、それまで粗暴で手の付けられない暴走機関車のようだったグラムの精神に少しずつ変化が生じてゆくのも見所の一つ。
凸凹コンビの歩む道の果て。待ち受けるは破滅か。それとも栄光か。