第16話:ノットモーニング!!

「ん、。ここは?」


 暗闇から覚めると体に強烈な痛みを感じながら眼の前には鉄格子があった。周りをみると石で作られた壁・床に囲まれているとわかり、僕は自分の下に敷いてある薄い布の上で壁に背中を預けた大勢で寝ていることがわかった。


「え!?どこ!?」


 さらに状況をみようと起き上がろうとすると痛みがさらにひどくなった。とりあえず上半身だけをつかってなんとか鉄格子に手をかけた。

 鉄格子の先をみても石造りの壁があるだけだった。顔をなんとか鉄格子の間に食い込ませながら奥の方をみると鉄格子がひたすら連なっているだけだった。多分、僕と同じような部屋だろう。

 この鉄格子のような部屋が無数にあるということは、僕は今刑務所とかどこかの収監施設にいるんだろう。

 なにか悪いことしたっけ?


「あ!そうだ、ライロックたちは!?ライロックーーーーーー!!!!!コンパスーーーーーー!!!あとは、えとだれだっけ!メモは!?」


 バッグからメモを取り出そうと背中をみるとバッグはなかった。僕の頭脳と言えるメモを無くしたと思い頭が真っ白になった。しかしすぐに僕は脳みその心配をする暇はないと気づいた。今一番心配しなければならないのは僕の命だ、ここがどこなのかわからずに死んでたまるか。


「多分ここはなにかしらの施設だよね。でもなんでこんなところにいるんだろう。僕は何をしていたんだっけ、何も覚えてないや。しかもいつの間にか寝ていたし。寝る前は何してたんだっけ、昔からここにいたのかな。それとも寝てる間に連れてこられたのか。んーー、わっかんない!メモがないからどうしようもない!」


 どうにか今までのことを思い出そうとしてももともとの記憶力が低いうえに、頭もずっとボーとしている。


「でもどうしようか。ここが施設ってことは確定だから、、、監視人みたいのが必ずいるはず!とりあえず騒ごう、そのひとを見れば何かがわかるかもしれない。」


 僕は限界まで鉄格子に顔を食い込ませておもいっきり叫んだ。石の壁が僕の声を反射する、反射する、反射する。寝ながらだけどここまで大きくなるなら問題はないだろ。少し体が痛むけどこれぐらいならまだ騒げる。僕はその後五分ぐらい僕は叫び続けた。

 体が限界まで痛み息も体力もなくなり一旦呼吸を整えたところでガコンッと近くで機械音が聞こえた。


「ここまで叫んだら流石に来るよね。どんな人が来るんだろうなあ、ええーーーーーーー!!!」


 僕が特に意味もなく眼の前の石の壁を見ていると突然長方形の形に黒い闇が現れたと思ったら闇の先からライロック(と知っているような顔をしているんだけど誰だっけ?)が歩いてきた。


「ライロック!!どうしたの!?ここはどこ!?ぼくはなにかしたの!!!???」


 ライロックは黙って僕を見ていた。その目にはライロックから今までめったに出さなかった不安の感情が写っていた。

 なにかカツンカツンと音が聞こえたと思ってライロックの奥を見ようとすると闇の中からぬるっと紺色の制服のようなものを着た若い男がでてきた。その男は僕をじっと見たあとに両手で鉄格子を掴んだ。何をするのかとおもって見ていると突然目の前にあった鉄格子が消えた。次に男は寝転がっている僕に近づきむりやり手を背中に回させたと同時に手錠のようなものをつけ小さな声で「立て。」といった。

 体はまだ痛かったがどうにか立った。男が闇の方へ歩っていくと体が闇の方へ引っ張られていく感覚を覚えた。ライロックたちも同じようなものを感じたのか体が安定していなかったがすぐに引っ張られる方へ歩いていった。

 引っ張られるまま暗闇に入った。

 闇の中はなにもなかった。眼の前にいるはずのライロックたちが見えないだけでなく自分の身体すら見えなかった。なにか引っ張られる感覚だけがある。僕はついに死んだのかと思い悪寒が背中を走ったが今は見えない足で暗闇を歩き続けることしかできなかった。

 五分ほどあるったあと引っ張られる感覚はなくなり歩き続けようとしても逆に何かが僕を押さえつけた。どうすることもできず暗闇を見続けた。少したって目が乾燥してきた頃にまばたきをした。すると一瞬光が見えたかと思うと次に目も開けられないほどの光が襲ってきた。状況はまったくわからない。一つだけ、今まであるっていたのに今は床に寝転がんでいることだけが感覚的にわかった。


「立て!!協会長の御前だぞ!!!」


 すぐとなりから野太い男の声がした。未だ光に襲われている僕にはなんのことだかわからず自分の皮膚の感覚と筋肉の収縮だけを頼りになんとか立ち上がった。


「うっ。」


 四方八方から大人数で床を叩く音が聞こえる。なんとか光は収まり視界がぼんやりとだが開けてきた。今、僕は前に直線的に続く赤いカーペットの上に立っていてそのカーペットに沿うように杖を持った人たちがそれで床を叩いていることはわかった。

 さらに視界がひらけてきた、もうほとんど見える。

 僕は王宮のような場所にいる。でっかい白い柱に模様が入ってる大きな窓。その前にはどこかの王様が座りそうな無駄に大きな椅子がおいてあり、どこかの漫画とかに描かれてそうな立派な王宮(?)だった。

 隣をみるとライロックたちが僕と同じ大きな椅子の方を見ながら立っていた。僕がライロックに驚いているとライロックは目で前を向けと言った。

 僕が前を向くと床を叩く音は落ち着いた。するとすぐ大勢の召使(?)の人たちが大きな椅子の後ろに並び始めた。召使(?)たちがみんな並び終えると最初に並んだ鉄製の鎧に身を包んだ騎士(?)が大きく口を開けた。


「我らが第三協会長ソグダー様のお見えである!」


 そう言うと召使(?)たちがでてきたところとは真反対の場所から真っ白いもこもこの上着を着、その下には軍隊の上層部が来ているようなスーツを着た20代ほどの男が現れ、たくさんの装飾が施されている大きな椅子に腰をおろした。おそらく彼がソグダーという人だろう。

 再びさっきの騎士(?)が口を開いた。


「只今より実験体の処分を始める!処分対象の名はライロック、アイレー、トンカである!彼らは我らが大陸の民を滅びの危機にさらした罪がある!以上の理由により彼らの処分を決定する!」

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三番目の世界 @riiiiii77

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